ソフトバンク・中村晃、誓う“長谷川先輩”への恩返し星 21日本拠での引退セレモニー前に意気込み

[ 2021年10月21日 05:30 ]

<ソフトバンク>ダッシュを行う中村晃(手前)(左はデスパイネ、中は柳田)(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクは21日、ホーム最終戦となる日本ハム戦に挑む。試合後には今季限りで15年の現役生活に別れを告げる長谷川勇也外野手(36)の引退セレモニーが行われる。20日にペイペイドームで行われた練習後、長谷川から打撃技術を吸収した選手会長の中村晃外野手(31)は尊敬する先輩の花道を飾ると意気込みを語った。

 ペイペイドームで行われた全体練習後、中村晃は長谷川との出会いから今までをしみじみと振り返り、一打にかける決意を口にした。

 「1年目の自主トレから長谷川さんに教えて頂いた。たくさん勉強ができた。勝つことがもちろん大事だと思うし、その中で長谷川さんのヒットが見られたら一番いいのかなと思います」

 同じ左打ちのアベレージヒッター。自主トレでは集中力の高さに感服したという。「黙々と会話もないくらい朝から夕方までバッティングをやった」。準備、努力の大事さも学び取った。2人はともにリーグを代表する打者に成長。長谷川は13年に最多安打と首位打者に輝き、中村晃は14年に最多安打のタイトルを獲得した。長谷川から受けた数々のアドバイスは、中村晃にとってかけがえのない財産だ。

 今季は135試合出場で打率・246、54打点、7本塁打と本調子とは言えないが、尊敬する先輩との最後の試合にかける思いは誰よりも強い。「雑念を消し去って、どんな精神状態、場面、打順でも、晃のやることはヒットを打つこと。それだけに集中すれば大丈夫」。長谷川からもらった言葉を胸に打席へ向かう。

 長谷川自身は状況次第で出場を控える意向だが、工藤監督は有終の美を飾らせてやりたい思いだ。打撃職人の一打に何度も助けられてきた指揮官は「現役最後の1打席。僕らもできる限りのことはしてあげたい。みんなの気持ちが盛り上がるのは当然」と語った。チームにとっても逆転のCS進出には負けられない一戦。笑顔で試合後の引退セレモニーを迎える――。それがチーム全員の思いだ。(井上 満夫)

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2021年10月21日のニュース