秋季リーグ未勝利の法大 試練に直面も乗り越えるために…加藤重雄監督がナインにかけた言葉

[ 2021年10月21日 09:27 ]

法大・加藤監督
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 【伊藤幸男の一期一会】東京六大学野球で早大と並ぶ最多優勝を誇る法大が苦しんでいる。ヤクルトドラフト1位・山下輝(4年、木更津総合)、DeNA4位・三浦銀二(福岡大大濠)の二本柱を擁しながら秋季リーグ第5週を終了した時点で3分3敗。1勝がとてつもなく遠い。

 8月下旬に部内で30人以上が新型コロナに感染し、約1カ月間の活動停止。練習を再開しても、他大学とオープン戦を組めず部内での紅白戦でリーグ戦に臨まざるを得ない状況が、勝負所で決定打が出ない要因につながっている。あるスカウトは「投手はブルペンである程度仕上げられるが、打撃は実戦の“生きたボール”を打てていないから厳しいだろう」と証言した。実際に6試合消化(20日現在)で6得点、1試合平均1得点しか取れていない。

 とはいえその状況を覚悟の上、伝統のリーグ戦に出場したのだから、言い訳は出来ないことは百も承知だ。涙ながらにリーグ戦参加に感謝した加藤重雄監督(65)もチーム初戦を迎えるロッカー内で部員にこう伝えたという。「いろいろなプレッシャーはかかっているだろうけど、こんなに感じられることはこれから社会に出てもそれほどないだろう。それを十分感じながら戦って欲しい。応援団やファンはどんな試合でも応援して頂ける。だから我々も頑張った姿を見せようじゃないか」

 法大にとって試練の秋季リーグ戦は残り2カード。恵まれた環境下で野球に没頭できた時期から一転、試練に直面したナインが自力で乗り越える姿を、記者として見守っていきたい。「何とか1勝、2勝はしてリーグ戦を終えたい」。後輩のためにも意地を見せようとする山下輝の言葉が印象的だった。 

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2021年10月21日のニュース