聖カタリナ学園・小沢 出身地・東京の高校との対戦に感謝と悔しさ 夏にリベンジを

[ 2021年3月25日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第5日第1試合 1回戦   聖カタリナ学園3ー4東海大菅生 ( 2021年3月24日    甲子園 )

<東海大菅生・聖カタリナ>敗戦に肩を落とす聖カタリナ・小沢(撮影・大森 寛明)
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 【お帰り!春球児】何とも不思議な巡り合わせだ。東京から遠く約800キロ。愛媛で夢をかなえてやって来た甲子園で、東京の高校と戦うなんて。聖カタリナ学園・小沢武門主将の胸の奥は、感謝の思いと悔しさが複雑に交差していた。

 「甲子園という舞台に立てることに感謝しながら戦った。東京から愛媛に出てきて地元のチームと。勝たなきゃいけなかった」

 6番・三塁。打球は一度も飛んでこなかった。打っても4打数無安打。憧れの場所で夢のような1時間56分を過ごし、そして悔しさが残った。「自分たちの力を発揮できたところと、できないところがあった。それを夏に返したい」。主将としての反省だった。

 野球部唯一の東京からの留学。母・雅実さん(46)の知人から紹介され、稲城シニアで練習する小沢の姿をわざわざ越智良平監督も見に来てくれて入学を決めた。口数が少なく、しんが強い。「知らない土地でもあの子なら大丈夫だと。甲子園に連れてきてくれてめちゃめちゃうれしい」と雅実さん。小沢が生まれたとき、空手をさせようと思って「武道の門を開いてほしい」という意味で「武門(たけひろ)」と命名した父・浩一さん(45)も「甲子園は子供と親の夢」と目を細めた。

 でも、小沢は出場だけで満足しない。「夏に戻って、チャンスがあれば東京のチームにリベンジしたい」。都会っ子の主将の目はもう夏へ向いていた。(秋村 誠人)

 ◆小沢 武門(おざわ・たけひろ)2004年(平16)2月22日生まれ、東京都府中市出身の17歳。小2から野球を始め、府中三中では稲城シニアに所属し、3年春に全国大会出場。聖カタリナ学園では2年時からベンチ入り。趣味は映画観賞。将来の夢は消防士。1メートル72、69キロ。右投げ右打ち。

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2021年3月25日のニュース