京都国際「イケイケ」2年生カルテットで聖地初星 延長戦の激闘制し、韓国語の校歌も熱唱

[ 2021年3月25日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第5日第2試合 1回戦   京都国際5-4柴田 ( 2021年3月24日    甲子園 )

<柴田・京都国際> 延長10回1死二塁、中川の右前打で勝ち越しのホームを踏んだ武田は雄たけびをあげる(撮影・大森 寛明)
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 1回戦3試合があり、京都国際は「2年生カルテット」の躍動で柴田との初出場対決を延長の末に制し、凱歌を揚げた。

 合言葉は終盤勝負。思いは必ず通じると、ベンチの誰もが信じていた。大会5日連続の延長戦に突入。1点差の10回裏2死二、三塁のピンチにも、萎縮することはなかった。最後の打球は、2点を追う7回に満塁の走者一掃三塁打を放った2年生遊撃手・武田侑大のグラブに収まった。

 関大で阪神・岩田稔と同期だった小牧憲継監督(37)は「イケイケの2年生を上級生がうまく操縦するチーム」と表現していた。投げてはともに2年生の先発左腕・森下瑠大、2番手右腕・平野順大が計14安打を浴びながら粘り抜いた。直球の回転にこだわる平野は「ピンチが多かったが、踏ん張らないとダメだと思っていた」と反撃を信じていた。

 「ケガでチームにこれまで貢献できていなかったので、三塁打を打てて良かった。甲子園は守りやすかった」という武田は右スネの過労性骨膜炎で昨秋は公式戦出場がなかったが、この日に照準を合わせていた。5点目をたたき出す右翼線適時二塁打を放った辻井心(じん)を加えた「2年生カルテット」が、勝利を呼んだ。

 京都韓国学園時代の99年に外国人学校として初めて高野連に加盟した。創部初戦0―34敗戦からのスタートでつかんだ甲子園初出場初勝利。2回の攻撃前には大会前から話題となった韓国語の校歌が春夏通じて初めて甲子園に流れ、試合後には全員で熱唱できた。10回1死二塁で「ここで打つのが自分の使命」と決勝の右前打を放った3年生・中川勇斗は「気持ちよく校歌を歌えた」と飛びきりの笑顔を見せた。次戦の東海大菅生戦も、心をひとつにして臨む。(鈴木 光)

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