福島敦彦氏　京都国際の強みは「投手力」、継投策念頭に戦える左右二枚看板の存在が勝負決めた

第93回選抜高校野球大会第5日第2試合　1回戦   京都国際5－4柴田 （ 2021年3月24日    甲子園 ）

福島敦彦氏
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　【福島敦彦の追球甲子園】初出場校同士の対戦は、見応えのある一戦となった。安打数だけを見ると柴田が圧倒したが、これだけ走者を出しながら大量失点を防いだ京都国際も、よく守った。お互いに多少のミスはあったものの、締まった試合になった。両チームともに持てる力を出し切り、納得のいく試合になったことだろう。

　最後に勝敗を分けたのは、投手力の差とみる。京都国際の強みは同等の力を持った森下君、平野君という左右二枚看板がいることに他ならない。監督も常に、継投を頭に置いて戦っていると思う。この日も6回に先発左腕・森下君から右腕・平野君に継投し、試合を作った。一方の柴田はエース谷木君がよく投げたが、1人で10回153球を投げ続け、最後に力尽きた。これが最大の差となった。

　敗れたとはいえ、柴田も素晴らしい戦いぶりだった。特に14安打を放った打線は1番から9番まで全員が、しっかり振り切る、力強いスイングが印象に残った。あとはこの打力をいかに得点に結びつけるかが、夏に向けた課題になるだろう。（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）