東海大菅生 春4度目で悲願1勝 鈴木悠が今大会1号&千田センバツ通算800号で決めた

[ 2021年3月25日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第5日第1試合 1回戦   東海大菅生4ー3聖カタリナ学園 ( 2021年3月24日    甲子園 )

<東海大菅生・聖カタリナ学園>2回無死、東海大菅生・鈴木悠は左越えに今大会第1号となる先制ソロ本塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 知っていた。19日の開幕から本塁打が出ていないことを。前日の午後6時ごろ、東海大菅生の鈴木悠平は家族のLINEグループにメッセージを送った。

 「第1号放り込んでくるわ!」。開幕から13試合目。6番に座った2年生は狙っていた。2回、相手エース・桜井頼之介のスライダーが高めに来ると、強振した。今大会一番の快音。飛距離十分の打球は左翼ポールのわずかに内側を巻いた。今大会第1号の先制ソロは決勝弾となった。

 「公式戦初打席で自分でもびっくり。人生で一番うれしい。人一倍努力してきてよかった」。甲子園での公式戦デビューで放った「予告弾」。家族は一塁側のアルプス席で観戦し、父の一豪さん(42)は「ほんま、“ありがとう”と言いたい」と目を細めた。

 前田健太(ツインズ)も在籍した大阪・忠岡ボーイズ時代に通算32本塁打を放った右の強打者だが、昨秋は打撃不振でベンチ入りメンバーから外れた。悔しさを糧に「とにかく振り込んだ」という。年が明け、練習試合で調子を上げた。背番号17は先発に抜てきされ、期待に応える高校通算3号。3年生の3番・千田光一郎も続いた。「鈴木がでかいの打ったので自分も」と3回にセンバツ通算800号となるメモリアル弾を左翼席へ運んだ。

 本塁打攻勢は、狙い通りでもあった。相手エースはスライダーが決め球の右腕。中日で投手としてプレーした若林弘泰監督は「スライダーを打てば投げる球がなくなる」と指示を出した。鈴木悠、千田はともにスライダーを仕留めてみせた。センバツ4度目の出場で悲願の初勝利。令和センバツ1号、800号に加え、センバツで東京勢の1試合2発は11年ぶりでもあった。多くのメモリアルに彩られた会心の白星だった。(柳内 遼平)

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