ロッテキャンプに松中臨時コーチ、安田に藤原に3冠王打法伝授 井口監督が直接オファー

[ 2021年1月21日 05:30 ]

2003年、パ・リーグベストナインに選ばれ、壇上でひそひそ話するダイエー・井口(左)と松中
Photo By スポニチ

 ロッテは20日、2月1日から沖縄・石垣島で行う春季キャンプで平成唯一の3冠王である松中信彦氏(47)が臨時コーチに就任すると発表。元同僚でダイエー(現ソフトバンク)同期入団の井口資仁監督(46)が直接オファーした。チームは昨季2位も、優勝して日本一に輝いたソフトバンクと14ゲーム差。課題の打撃強化を目指し、レジェンドに白羽の矢を立てた。

 プロ1年目から切磋琢磨(せっさたくま)し、銀メダルを獲得したアトランタ五輪でも共闘した松中氏の人柄や打撃論は熟知している。全ては宿敵との大きな差を埋めるため。井口監督は「(オファーは)シーズンが終わってから。本人にそういう気持ちがあるか聞いてみたかったし臨時コーチで呼ぼうかなと思った」と明かした。

 昨季2位の原動力は投手陣。チーム防御率3・81はリーグ2位だった。一方でチーム打率・235は12球団ワースト。発展途上の若手が多い野手陣で、将来の中軸候補は松中氏と同じ左打ちでもある高卒4年目の安田と同3年目の藤原だ。主に打撃陣を指導する井口監督、今岡ヘッドコーチ、河野打撃コーチは右打者。通算352本塁打を誇る左の長距離砲から得るものは多い。井口監督も「キャンプは安田を含め長距離砲を育てていくが、我々は右打者。伸びしろを出してほしい」と昨季87試合で4番を任せながら6本塁打の安田への指導に期待する。

 昨年は四国アイランドリーグの香川でGM兼総監督として若手と汗にまみれ、NPBで初指導となる松中氏は球団を通じ「このような機会を頂けたことに感謝しています。NPBに育てていただいたので、少しでも恩返しになれば」とコメント。井口監督は「年間を通じて臨時的に見てほしい。努力する人だったし、かなりバットを振らされるんじゃないかな」と地獄のキャンプを予想していた。(横市 勇)

 ▽04年のダイエー・松中 先発した129試合全て4番で出場。井口、城島、バルデスらとクリーンアップを形成した。ダイエーはレギュラーシーズンでは77勝52敗4分けの勝率.597。勝率1位でプレーオフに進出したが、第2Sで西武に敗れ、リーグ優勝を逃した。

 ◆松中 信彦(まつなか・のぶひこ)1973年(昭48)12月26日生まれ、熊本県出身の47歳。八代一(現秀岳館)から新日鉄君津を経て、96年ドラフト2位(逆指名)でダイエー(現ソフトバンク)入団。04年に打率・358、44本塁打、120打点で史上7人目の3冠王。00、04年にはパ・リーグMVPに輝いた。首位打者、本塁打王2回、打点王3回。15年に現役引退。野球解説者を経て、20年に四国・香川のGM兼総監督を務めた。96年アトランタ五輪、06年WBC日本代表。左投げ左打ち。

 【ロッテ「過去の他球団OB」臨時コーチ】
 ☆00年中畑清(元巨人) 山本功児監督と同期入団だった縁で、春季キャンプに2日間参加。球団が用意した背番号24のユニホーム姿で、居残り特打では打撃投手も務めた。
 ☆12年駒田徳広(元巨人&横浜) 西村徳文監督の依頼で、臨時守備コーチとして2月1~9日の沖縄・石垣島での春季キャンプに参加。大松にマンツーマンで約1時間の特守や打撃指導を行った。
 ☆14年久慈照嘉(元阪神) 内野手の守備力強化を掲げた伊東勤監督が、11月の千葉・鴨川での秋季キャンプで招へい。鈴木、細谷ら若手を中心に約2時間、身ぶり手ぶりを交えて徹底指導した。
 ☆18年島田誠(元ダイエー&日本ハム) 井口資仁監督が走塁改革の要として招へい。2月1~10日に沖縄・石垣島キャンプで臨時コーチを務め、115キロの巨漢・井上にも「月1個で(シーズン)6盗塁」を厳命。2日のシート打撃ではチーム1号盗塁を果たした。

続きを表示

この記事のフォト

2021年1月21日のニュース