虎党のために 阪神・矢野監督「最高の準備する」無観客キャンプインも、野球できることに感謝

[ 2021年1月21日 05:30 ]

<阪神>12球団監督会議を終え、オンラインで取材に応じる矢野監督
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 阪神の矢野燿大監督(52)が20日、12球団監督会議後にオンライン取材に応じ、春季キャンプ開催に「感謝」の意を示した。前日19日にはキャンプ地の沖縄県が独自の緊急事態宣言を発出し、球団はこの日、1、2軍キャンプを当面、無観客で行うことを正式発表。「野球をやれるのは当たり前じゃない」と特別な球春到来を前に、矢野阪神が決意新たにスタートを切る。

 当たり前だった光景が、今では遠い過去の出来事のようだ。今春キャンプは当面、無観客での開催が決定。1軍の沖縄・宜野座だけでなく、2軍の高知・安芸にも、歓声が響かない。コロナ下で迎える異例の球春到来を前に、矢野監督も複雑な心境を吐露した。

 「僕たちも寂しいしファンの方々にも残念に思ってくれている方がたくさんいてくれているかなと思う。僕たちは、より力が発揮できたり、苦しいときも走ったり振れたりとか、見てもらえるのはすごく励みになる。見てもらえないのは残念」

 まずは球春を待ちわびていたであろう、野球ファンの胸中に思いをはせた。例年、阪神のキャンプには12球団屈指の観客が詰めかける。実戦ともなれば大観衆がスタンドを埋め尽くす。その力強い応援が、選手の奮起を促す。今年は当面それがない…。ただ指揮官はキャンプ開催には感謝の言葉を口にした。

 「受け入れる方も大変な思いで受け入れてもらえると思う。そういった方々にも感謝をして、去年も気づけたことですけど、野球をやれるのは本当に当たり前じゃない」

 恵まれた環境の下、野球がやれる幸せを改めて再確認。キャンプイン前日の全体ミーティングでは選手たちと「感謝」を共有するはずだ。そして決意も新たにすることだろう。「最高の準備をして、来てもらえる状況になったときに、喜んでもらうキャンプにしようという形です」。チーム一丸で再スタートを切る。

 そのためにも視点を「プラス」に向ける。キャンプ中、チームは外食禁止など厳しい自粛生活を余儀なくされ、休日など気分転換の手段にも大きな制約が加わる状況。その中でも選手たちを前向きな方向へと導く考えだ。

 「野球ができない時期もあった。でもキャンプをやらせてもらえる。“ない”部分を探せばストレスたまるし、ずっとホテルで缶詰めというのは、いつもと違うからストレスは感じると思うけど、“ある”部分を見れば野球もできる。ある方を見ていこうよ。何か違うものが見つかる可能性もある。そういうことを伝えていきたい」

 新しい発見もあると信じる。今春は球場でのファンサービスも一切ないが、「僕たちも発信、アイデアを出していきたい」とコロナ下の新たな取り組みも検討中。例えば野球用具のこだわり紹介や、普段ならうかがい知ることのできない部屋での過ごし方など“今だからこそ”の企画も腹案に挙がる。虎党との一体感も「戦力」とする矢野阪神。歓声が戻るそのときまで、パワー蓄積と並行して新境地模索に全力をそそぐ。(山本 浩之)

 《キャンプ地の沖縄・宜野座村担当者からも無念の声》1軍の春季キャンプ地である沖縄県宜野座村の担当者は、県独自の緊急事態宣言下での無観客開催を受けて、胸の内を明かした。

 「県でも緊急事態宣言が出てしまった以上は致し方ないのかなと受け止めています」。これまで上限1000人の有観客を想定し、観客の動線や観戦スタイルなど、感染防止対策を講じて準備を進めてきたことから、今回の判断には無念の声が漏れた。今後は無観客開催に向けた協議を重ね、「2・1」キャンプインに備える。

 1軍同様、2軍も無観客が決定。そのキャンプ地である高知県安芸市の担当者も残念がった。「寂しい気持ちもあります。本当にコロナが終息することを願うばかりです」。高知県は緊急事態宣言は発出されていないが、全国的な感染拡大状況を鑑みて無観客となった。それでもキャンプ期間中の有観客を模索しながら、「できる準備は進めていく」と前を向いた。

 《事前にPCR検査》日本野球機構(NPB)は20日、公式サイト上でキャンプの新型コロナウイルス感染予防ガイドライン(無観客)を公表した。現地入りするチーム関係者は事前にPCR検査を行い、陰性を確認した上で移動。事前に当地入りし自主トレを行う選手・関係者は移動前に検査し、キャンプ前にも再検査する。キャンプイン後も週1回程度の検査を重ねていく。キャンプ地ではゾーニングを徹底し、球場、室内練習場、ブルペンなどは関係者以外立ち入り禁止。出入りする業者も含め検温などの健康確認を求める。

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