阪神ドラ6・中野 桶狭間から“織田信長の道” 天下獲りへ「まずは開幕スタメン」

[ 2020年12月17日 05:30 ]

笑顔でノックを受ける中野(撮影・椎名 航)
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 460年あまりの時をへて、信長のごとく成り上がる。阪神のドラフト6位・中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)は16日、愛知県大府市の三菱大府グラウンドで自主トレ公開後、グラウンドから車で10分程度の場所にある桶狭間古戦場公園を訪問。当地で「下克上」をスタートさせた戦国武将・織田信長を令和の時代に“再現”することを誓った。

 「自分も織田信長さんみたいに全国に名を轟(とどろ)かせられるように頑張りたい」

 戦国時代の1560年。織田信長が天下獲りを目指し勢力拡大を図った今川義元を討ち取った桶狭間の戦い。戦場の中心地とされる公園に立つ銅像を見つめながら、中野は決意を新たにした。

 「本当に下からはい上がっていかないと、という気持ちがある。自分の課題を見つけて、しっかりとキャンプに入っていけるようにやっていければ、自然といい結果は付いてくると思っている」

 遊撃争いのライバルとなる木浪、北條、小幡らは今川義元同様に、現状では格上の存在。ただ、圧倒的不利とされた織田信長が、できる限りの準備に、状況を事細かに把握して「下克上」を成し遂げたように、中野も戦ううえで最大限の準備を怠らない。

 現在、重点的に取り組むのが肩のインナー強化。「(ノックでの送球など)投げる数が多くなってくると思うので、故障しないというのが一番大事」。戦う武器選びにも余念がない。プロ仕様の新しいグラブを模索中で、この日は今まで使用していたものと、少し大きめの2種類のグラブでノックを受けた。「打球もどんどん強くなるし、そういった面でも深いグローブの方がしっかりと打球を捕れる。いま少し、大きさを迷っている部分はあります」。

 「まずは開幕スタメンで出ることが一番近い目標」。“おおうつけ”と呼ばれた男同様、中野もまだまだ能力を隠している。(須田 麻祐子)

 ▽桶狭間の戦い 戦国時代の1560年に尾張国桶狭間(現在の愛知県名古屋市緑区と豊明市にまたがる地域)で起こった織田信長と今川義元の合戦。2万5000人の兵力で侵攻する今川軍に対して、わずか2000人の織田軍が豪雨に乗じて本陣を奇襲し、義元を討ち取った。この戦いを機に信長の名が天下に知れ渡ったため、下克上を象徴する戦いとして知られる。

 〇…ゴルフが趣味という中野は東北福祉大の5学年上にあたるプロゴルファー、松山英樹と面識があることを明かした。大学時代に話したことがあり、詳細までは覚えていないが「これからの人生で必要なことだと思う、お話をいただきました。気持ちの面の話が多かったと思います」と当時を振り返った。世界で活躍する先輩からの金言をプロの世界でも生かす。

 

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2020年12月17日のニュース