ソフトB・千賀&甲斐 五輪でも金獲る!育成同期、初バッテリー賞に決意新た

[ 2020年12月17日 05:30 ]

2020プロ野球最優秀バッテリー賞表彰式 イエローハットをかぶり、笑顔を見せる(前列左から)甲斐、木下拓、(後列同)千賀、大野雄(撮影・木村 揚輔)
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 スポーツニッポン新聞社が制定する「2020年度プロ野球最優秀バッテリー賞 powered by DAZN」の表彰式が16日、東京都文京区の東京ドームホテルで開かれた。パ・リーグはソフトバンクの千賀滉大投手(27)―甲斐拓也捕手(28)、セ・リーグは中日の大野雄大投手(32)―木下拓哉捕手(28)がいずれも初受賞。スポーツニッポン新聞社の河野俊史代表取締役社長から各選手に賞金100万円などが贈られた。

 ソフトバンクの最強バッテリーが、ついに念願をかなえた。今年の開幕前に「タクヤ(甲斐)と“獲れるといいな”と話し合っていたんです」と千賀が狙っていたのがバッテリー賞だ。甲斐も「今年こそは獲ろうと思っていまして。この賞を2人で獲れたのは本当にうれしい」と喜んだ。

 ともに10年ドラフトで育成選手として入団。1メートル87の大型右腕・千賀は「ちっちゃい(1メートル70)のに、僕より体が強い」と甲斐にあぜんとした。甲斐も就寝間際まで体を鍛える千賀に「1年目から本当に練習する」と感心した。千賀が12年に支配下登録されると、甲斐も翌年に続いた。

 「センガ」「タクヤ」と呼び合う同期生は17年から1軍でバッテリーを組み始めた。「負けず嫌いのザ・ピッチャー。(投本間の)18・44メートルで会話はなくても、表情やしぐさで分かる」と恋女房は今ではエースが投げたい球が分かる。千賀も「観察力、対応力と欠かせない存在」と信頼し合える関係だ。18年に甲斐が育成出身初の日本シリーズMVPを受賞すれば、千賀も19年に育成出身初のノーヒットノーラン達成。そして4年連続日本一に導いた。

 2021年夏。最強バッテリーが意識し合うものがある。東京五輪だ。千賀は17年のWBC代表でエース格となり、甲斐も昨年のプレミア12で世界一を勝ち取った。新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京五輪で狙うのはもちろん金メダル。それもエースと正捕手でつかみ取る。

 「あの舞台で甲斐となら思い切って投げられるとは思う。慣れているのは強み。(ソフトバンクのバッテリーで)ファンの方が面白いと思ってもらえたら」。パ投手3冠の千賀がそう言えば、今年の延期に無念さをにじませていた甲斐も来年の開催を切望。「夢を一緒に、との思いはある。やることはまだまだ多いですが、千賀と(五輪の舞台に)立てれば。これからも、もっともっと“最強バッテリー”と言ってもらえる関係でありたいし、夢に向かって頑張る」と、決意を新たにした。(井上 満夫)

 ▽最優秀バッテリー賞 投手だけでなく捕手にもスポットを当て、球界最高の「バッテリー」を表彰するもの。第1回は1991年で今年は節目の30回目。スポニチ野球評論家による選考委員会で決定。投手はローテーションの一員として、または救援投手としてシーズンを通して活躍したことを最低条件とする。捕手はインサイドワークや盗塁阻止率、捕逸の少なさなどが基準となる。今季はDAZNが特別協賛となり「月間賞」を新設。DAZN公式ツイッターによるファン投票も両バッテリーが1位の支持を集めた。

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