縮まらぬリーグ格差…「セDH制」本格検討すべき 13年の日本シリーズからパが8連覇

[ 2020年12月17日 05:31 ]

圧倒的な強さで4年連続の日本一をつかんだソフトバンク
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 巨人が積極的に提唱する「セ・リーグの指名打者(DH)制導入」について、日本プロ野球選手会でも意見交換されていたことが16日、分かった。

 【記者の目】セの選手からすれば、DH制は野手なら出場機会が増え、投手も打撃時の故障リスクを抑えられる。利点の方が多く、賛同するのは当然だろう。プレーするのは選手。巨人の提案を即見送ったセの他球団は選手の声にも耳を傾けるべきだ。「野球は9人でやるスポーツ」という概念、セとパの違いへのこだわりも分かるが、現状は「伝統」の二文字に縛られている印象が強い。

 巨人のV9は1973年まで。パがDH制を導入したのは75年だ。同年以降の日本シリーズはパが28勝、セが18勝。パは「野手9人」、セは「野手8人」で戦ってきた結果、徐々に差は広がり、セは13年以降シリーズで敗れ続け、11年以降ではソフトバンクにセ6球団全てが屈している。

 そのセを圧倒する巨人が2年連続で4連敗を喫し、このままでは両リーグの差が縮まらないのは明らか。セの関係者からは「セとパに実力差がついたのはDH制が理由の一つ」と指摘する声も多い。

 DH制は大リーグが73年に採用し、2年後に日本も追随した。コロナ禍で大リーグは今季両リーグで行い、将来的にナ・リーグもDH制を導入する流れもある。セもリーグ格差を解消する別の打開策がないなら、本格的な議論をして判断すればいい。(野球デスク・飯塚 荒太)

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