広島・会沢 来季15年目で「キャリアハイ」、「佐々岡監督を胴上げ」誓った

[ 2020年12月17日 05:30 ]

契約を更改して会見に臨む会沢
Photo By 代表撮影

 3年契約の1年目を終えた広島・会沢翼捕手(32)が16日、現状維持の推定年俸1億8000万円プラス出来高払いで更改した。たび重なるコンディション不良で出場試合数が減り、2年連続Bクラスのチーム成績も相まって、悔しさと危機意識を募らせた今季。15年目の来季に向けては改めてキャリアハイを目指し、チーム一丸で佐々岡監督の胴上げ実現を誓った。

 コロナ禍でのシーズン開催。尽力した医療従事者、球団関係者らに会沢は開口一番、感謝した。その上で「一度抹消にもなり、難しいシーズンだった。チームも5位に終わり、悔しさしかない。うまくいかないことが多かった」と振り返った。

 無理もない。今季は79試合の出場にとどまり、打率・266、7本塁打、36打点。9月10日のヤクルト戦でファウルチップが顔面を直撃し、首痛で出場選手登録を外れるなどコンディション不良が相次ぎ、打撃3部門で軒並み数字を下げた。

 「プロである以上、試合に出てなんぼ。試合数は僕の中で大事にしているもので、減ったことが一番悔しい」

 その言葉通り、危機意識を強めるのが前年の126試合から激減した出場機会だ。弱肉強食の世界。会沢がコンディションと戦う間に坂倉が台頭し、ポジションを脅かす存在としてチーム内外の認知度を上げた。組織全体に目配りができる正捕手はこれを歓迎する。

 「若手が出るのはチームにとってはいいこと。僕自身、もっとうまくなりたいし、切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」

 無論、その裏側には“まだまだ負けない”という自負心がある。オフは連日マツダに足を運び、状態に不安があった箇所や股関節の可動域などを重点的にトレーニング。土台強化を図りつつ、来年の東京五輪やシーズン開幕後をにらむ。

 「(五輪代表に)選ばれるには、自チームでしっかり成績を残さないといけない。(個人では)キャリアハイを目指していきたい」

 鈴木清明球団本部長は「会沢がウンと言えば若手も従う。チーム全体がそんな感じ」とし、精神的支柱を超えたリーダー的存在と説明。立場は会沢自身も自覚しており、チーム目標への質問には危機感を強調しつつ、ナインの思いを代弁した。

 「“カープは強い”とまた言ってもらえるように、上位チームに勝っていかないといけない。佐々岡監督を胴上げできるように、選手は一致団結して頑張っていきたい」

 経験豊富な実力者だからこそ分かる、踏ん張れるか否かの大事な分岐点。チームも、自身も逆襲あるのみだ。(江尾 卓也)

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2020年12月17日のニュース