阪神ドラ5藤田、選抜逃した悪夢の敗戦から学んだこと

[ 2019年12月13日 09:00 ]

虎ルーキーの素顔に迫る 最高峰の舞台にトライ ドラフト5位・藤田健斗捕手(2)

今夏の甲子園では巧みなリードで中京学院大中京をベスト4に導いた藤田
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 「滋賀ユナイテッド JBoy,s」で捕手の技量を高めた健斗に魅せられたのは、2年冬に練習試合を見た中京学院大中京の橋本哲也監督(55)だった。「プレーも目立って、周りに気遣いもできる。言葉で表すのは難しいけど、この子なら3年間キャッチャーを任せられるオーラがあった」

 健斗も「甲子園に行くには君の力が必要だから来てほしいと熱く誘っていただいて、その熱さにひかれました」と生まれ育った滋賀県長浜市を離れることを決断した。親元を離れる不安を「苦労はいっぱいあったけど、自分が活躍している姿を父さん、母さんに見せられたらいいなと思ってやってきた」と活力に変え、入学してすぐベンチ入りを果たすと、1年秋からは正捕手をつかみ取った。

 2年夏は岐阜大会準々決勝で敗退。翌日に「上級生の試合に出ていて経験もあったんで。自分から引っ張っていく」という思いから橋本監督の部屋を訪れ、本来は推薦制だった主将への就任を直談判し受け入れられた。

 念願の甲子園出場を果たすべく強い覚悟で迎えた秋季大会。岐阜大会で優勝し臨んだ東海大会準決勝で悪夢が待っていた。石川(中日ドラフト1位)を擁し、翌年の選抜大会で優勝する東邦に延長10回、9―8から逆転サヨナラ負け。9回も8―3から追いつかれ、選抜出場を手にしかけていたところからのショッキングな敗戦だった。「自分がキャプテンになってからチームも自分も思うような結果を残せず考え込む時期もあった」。しかし、橋本監督はこの敗戦が良い勉強になったと振り返る。

 「不後(投手)も強気だったので、リズムがワンテンポになったのが東邦戦で5点取られた要因。3年生になって抜くことや間を置くことを覚えてさらにレベルの高いキャッチャーになった」
 苦い敗戦から学んだ経験があったからこそ、捕手としてさらに成長することができた。今夏の甲子園大会では完投数が0だった中京学院大中京の計4投手をそれぞれの特性に合った巧みなリードで導き、同校を初のベスト4に導いた。

 4月に行われたU18高校日本代表候補合宿では大船渡・佐々木(ロッテ1位)の163キロを捕った捕手として注目を浴び「自分は何もしていないので、その報道が目立つようになってから今度は自分の実力で注目してもらおうと強く思った」と発奮した。もうひとつ目標がある。

 「西(創志学園)の縦のスライダーを全く取れなかった」。ともに阪神に指名されて、今度はプロの舞台でリードすることができる。「今度は自分が引っ張っていくという気持ちでやっていきたい」。甲子園でのバッテリー再結成に向けて、健斗は先を見据えた。 (阪井 日向)

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