イチロー氏 “夢”のアマチュア指導者へ第一歩 13日から資格回復研修を受講 

[ 2019年12月13日 05:30 ]

資格回復研修に参加することが分かったイチロー氏
Photo By スポニチ

 マリナーズなどで活躍し、今年3月に現役を引退したイチロー氏(46=マ軍会長付特別補佐兼インストラクター)が、13日から行われる「学生野球資格回復制度研修会」を受講することが12日、分かった。プロ野球経験者が高校野球などアマチュアの指導を行うためのもの。日米通算4367安打を誇るレジェンドが、大リーグ経験者では初の高校野球監督になるかもしれない。

 現役引退から約9カ月。イチロー氏が新たな夢の一つに選んだのが、学生野球の指導を可能にするための資格の取得だった。13~15日に東京都内で開かれる研修会を修了し、日本学生野球協会から承認されれば、国内の高校野球、大学野球での指導が可能となる。

 今年の3月下旬に行われた引退会見。イチロー氏は今後について問われ「アマチュアとプロの壁が日本の場合は特殊な形で存在する。極端に言えば、自分に子供がいたとして、高校生だと教えられなかったり、ですよね。変な感じじゃないですか」と話していた。その「壁」を越えて指導を可能にするのが学生野球資格回復制度。今年は133人が受講予定となっているが、その中の一人がイチロー氏だ。

 夢は大きく広がる。引退会見の中で「今日をもって“元イチロー”になるので、小さな子供なのか、中学生、高校生、大学生なのか分からないですが、そこには興味がありますね」とも口にした。今回の研修会を修了して資格が回復されれば、母校の愛工大名電はもちろん、全国の高校、大学での指導が可能に。近い将来の「イチロー監督」の誕生も夢ではなくなる。

 イチロー氏は現在、マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターの肩書を持つ。しかし、今回の研修会から、退団者だけでなく現役選手や監督、コーチ、選手、球団スタッフら球団に在籍中でも受講が可能になった。さらに、通常は退団後の資格回復となるが、野球界への功績の大きさや、アマチュア選手の獲得に携わる立場ではないことを踏まえ、特例的に退団前の資格回復が認められるとみられる。

 18年5月、残りのシーズンでプレーしない会長付特別補佐に就任した際には「野球の研究者でいたい」と語った。今月1日、自身が結成したチームでの草野球デビューに備えても打撃投手で200球近くを投げ込み。試合では「9番・投手」として9回を16奪三振完封、打っては3安打1打点と大活躍した。全てのプレーを現役時代同様に体現できる状態を保ち、自ら手本を示す。これまでにない指導者像に、ファンの期待は高まる。

続きを表示

2019年12月13日のニュース