異例 笑顔の決断 広島 岩本引退「カープにいらないと言われたら仕方ない」

[ 2019年10月3日 05:30 ]

戦力外通告にも笑顔で取材に応じる岩本
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 広島は2日、岩本貴裕外野手(33)ら5選手に来季の契約を結ばないことを伝えたと発表した。戦力外通告を受け、岩本は現役引退を表明。故郷である広島での11年間に悔いを残さず、異例とも言える笑顔での決断となった。

 戦力外を告げられても、岩本は何も変わらない。「暗い顔しても仕方ないじゃないですか…。悔いなくできた。まだ(現役を)やりたいというのはない」。非情な宣告の直後でも、人懐っこい笑顔のまま質問に答えた。

 11年目の今季は、4月28日ヤクルト戦の代打での1打席のみに終わった。1軍登録期間は9日間だけ。2軍では70試合で打率・281を残しながら、1本塁打、5打点にとどまり、引き際を意識せざるを得なかった。「終盤に入って、このままでは悔いが残るな…と。ある方からの助言もあって“やるからには一生懸命やってみたらいいんじゃないか”と。悔いなく由宇でもやれたと思う」。金言を送った人物は伏せても、常に笑顔の岩本だからこそ、人の縁にも恵まれた。

 広島商から亜大に進学し、08年ドラフトで1位指名を受けた。「2年目にノーステップにしたのは、一番変えたところ」。2年目の10年に14本塁打と天性の長打力が花開き始めた。しかし、右膝を手術するなど定位置奪取には至らなかった。一番の思い出は、10年8月27日の巨人戦。守護神のクルーンから放った同点2ランを思い浮かべると、ひときわ笑顔になった。

 金本知憲らが背負った背番号10だった。「金本さんがつけられて、記録と記憶を残された方だった。いい結果を残せずにいたことは申し訳ない」。広島市出身のドラフト1位。笑顔の裏には人知れず戦った苦悩もあった。

 「僕は広島出身。カープにいらないと言われたら仕方ない。最初のころは(地元の重圧が)あったかもしれない。でも、この年になっても“がんちゃん、がんちゃん”と呼んでくれてうれしかった。地元でよかったな…と思います」

 今後については未定とした。「家族とかいろんな人と話し合って決めたい」。“がんちゃん”として生きた11年間に区切りをつけ、新たな道を歩む。
(河合 洋介)

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