阪神ドラ5川原(下)女手一つで育ててくれた母へ恩返し誓う

[ 2018年11月30日 11:00 ]

ドラ5川原陸投手(17=創成館)(下)

中学生の時の川原(右)
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 【ドラフト指名選手 矢野阪神の1期生】陸が自らに課すプロでのミッションの一つが、「母への恩返し」だ。小学校高学年になった頃に両親が離婚してからは母・えりかさん(39)に女手一つで育てられた。

 「小学1年から高校3年までの12年間、野球をさせてくれたので、“ありがとう”と伝えました。正直、お金の面でも結構な負担をかけたと思うんです。だから、プロで先発ローテーションに入って、勝てる投手に成長して恩返しできれば」

 心から感謝する母は設計業を営む祖父の会社で働きながら、次男・陸を含めた4人兄弟をたくましく育て上げている。えりかさんは「2人分を1人で…ですから。若干頑張った部分はありましたかね…」と控えめに振り返るが、負担の大きさは容易に想像できる。ドラフト会議が開催された10月25日は陸が吉報を待つ学校内の会場ではなく自宅にいたという。

 「他の父兄の方々から“会場に来て”と言われていたのですが、何もなかったら嫌だなと思い、ネット中継で見ていたんです…」

 プロ志望届を提出した事実はもちろん知っていたが、陸が自らのことをあまり話さない性格だったことから、「“指名があるかも”という話を全く聞いていなかったんです…。まさか、です」。大きな期待をすることなく見ていたネット中継。阪神から5位指名されると驚きもつかの間、すぐに学校に駆けつけ、苦労が報われた喜びを2人で分かち合った。

 小学1年からソフトボールを始め、同4年から軟式野球。幼少期にサッカーや水泳を習っていたことが奏功し、身体能力の高さを発揮していった。当時から「プロ野球選手になりたい!」と強く思っていた夢の実現は母の支えなくして成し得なかったということは言うまでもない。

 「プロに行けることはうれしいです。けど、これからの生活が大事になってくる」と気を引き締めている息子に、「入ってからが勝負だよ」と母は声をかけてくれる。身長1メートル84、体重80キロの大型左腕。無限の可能性を秘める17歳が弱肉強食の世界を生き抜き、もっともっと、母を笑顔にさせてみせる。(巻木 周平)

 ◆川原 陸(かわはら・りく)2000年(平12)12月12日生まれ、長崎県長崎市出身の17歳。三原小時代にソフトボールを始め、三川中では長崎北シニアに所属。創成館では2年秋からエースで明治神宮大会準優勝。甲子園には3年時に春夏連続で出場し春は8強。1メートル84、80キロ。左投げ左打ち。

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