ドリスが危険球退場…阪神・能見救った!プロ初S 39歳2カ月は球団最年長記録

[ 2018年8月17日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―2広島 ( 2018年8月16日    京セラD )

<神・広>9回を締め、プロ初セーブの能見(右端)はナインとタッチ(撮影・坂田 高浩)
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 想定外のマウンドで、窮地に陥った猛虎を見事に救った。9回、無死一塁の場面で阪神「能見」の名がコールされた。1点リードで登板したドリスの初球が会沢への頭部死球となり危険球退場。まさかのバトンが託された。

 「いろんなことを想定しながらね。緊急なんでね、それは」

 球場が異様な雰囲気に包まれる中でも、百戦錬磨の左腕は冷静沈着だった。犠打を狙う野間を3ボール1ストライクから5球目の直球で捕邪飛。「ラッキーだったね」と広島にとって痛恨のアウト1個をもぎ取ると、もう付けいる隙は与えなかった。

 続くバティスタも144キロの直球で空振り三振に仕留めると、最後は田中の投ゴロを処理して力強い送球を一塁へ送り試合を締めると、少しだけ笑みがこぼれた。魂を込めた11球でプロ14年目にして初セーブ。39歳2カ月でのセーブで、福原の38歳4カ月の球団最年長記録を塗り替えた。

 この夜に限らず、グラウンドを離れても、静かに「救世主」として目の前に現れる。昨オフ、自主トレもともにする後輩の岩貞が結婚式で使う手作りのオブジェ用に野生のマツボックリを探していることを聞くと妻、子供たちと家族総出で近くの公園へ“捜索活動”に出た。

 結局「季節的に今はマツボックリが落ちていないみたい」と見つけることができなかったものの、ベテランの優しく、温かい心が後輩夫妻を包み込んだ。

 今季は6回終了時点でリードしている状況では37勝0敗1分け。8回に2番手の藤川が1点差を追いつかれ、勝ち越した直後の9回もドリスの退場と傷のつきかけた「不敗神話」を背番号14が守り抜いた。「(他のリリーフに)助けてもらってることも多いしね」。チーム一丸の精神を、39歳、能見篤史が示した。(遠藤 礼)

 ≪球団最年長記録≫能見(神)が4番手で登板し、プロ初セーブをマークした。39歳2カ月でのセーブは福原忍の38歳4カ月(15年5月23日DeNA戦)を抜いて球団最年長記録となった。プロ野球記録は斎藤隆(楽)の44歳4カ月。

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2018年8月17日のニュース