震災から7年…楽天・則本 自己新159キロ「背負ってやりたい」

[ 2018年3月11日 05:35 ]

オープン戦   楽天4―2西武 ( 2018年3月10日    倉敷 )

<楽・西>4回を2安打無失点と好投した則本
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 2年ぶり5度目の開幕投手に決定している楽天・則本昂大投手(27)が10日の西武戦(倉敷)で自己最速の159キロを計測し、4回2安打無失点。3月30日のロッテとの開幕戦(ZOZOマリン)に向け、進化を証明した。11日は東日本大震災からちょうど7年。被災地である仙台に本拠を置く球団のエースは5年ぶりのリーグ優勝を誓った。

 則本は2回、先頭の山川をカーブ2球で簡単に追い込むと3球勝負。昨季23本塁打してブレークした大砲の胸元へ投げ込んだ1球にバットは出なかった。スコアボードに「159キロ」の数字が映し出されると、球場全体からどよめきが起こった。昨年7月15日の球宴第2戦(ZOZOマリン)で出した158キロの自己記録を1キロ更新した。

 「この球場は(スピードガンの)誤作動が多いので、あまり気にしていないです」

 本人は素っ気ないが、この回2死一、二塁の場面の松井への初球でも計測。158キロも1球と、誤作動とはいえない力強さがあり、日本人選手では4人目の160キロの大台にまた一歩、近づいた。しかも3月の調整段階。佐藤投手コーチも「今日は8割ぐらい」と認める中で叩き出した。変化球もスライダーとカーブの2球種のみだったが、強打を誇る西武打線を封じた。

 進化への工夫がある。昨季までセットポジションでは胸元でグラブを構えていたが、この試合ではベルト付近に下げた。上半身をリラックスさせ、下半身とのバランスをとる。リリース時に球により力が伝わる形を模索する。4回まで4四球で85球を要し「球数が少なければもう1回投げられた」と反省するが、高みを目指す右腕は着実に前進している。

 11日は東日本大震災から7年を迎える。震災の翌12年のドラフトで入団した右腕だが「今は東北の一員として戦っている。僕は野球を仕事としてやっている。プレーに勇気づけられたと言ってくれるファンもいる。そういう人をもっと増やしていきたい」と話した後に「(震災の)傷痕は消えることはない。そういうものを背負ってやりたい」と続けた。昨年1月。震災への支援活動をヤンキース・田中に聞き「一緒にやらせてほしい」と願い出た。2年連続で田中とともに被災地の小学校を訪問。入団時、背中を追った田中は13年に24勝0敗で、リーグ優勝、日本一へと導いた。5年ぶりのV奪回へ、チームを背負う覚悟を持つ。

 佐藤投手コーチと投手タイトルの総ナメを目標にすることを約束した。「今年は東北の皆さんと喜びを分かち合いたい」。記録にも記憶にも残るシーズンへ、右腕は腕を振る。(黒野 有仁)

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