誠也 199日ぶり右翼守った 完全復活へ前進

[ 2018年3月11日 05:30 ]

オープン戦   広島6―6ヤクルト ( 2018年3月10日    マツダ )

<広・ヤ>3回無死一塁、右翼手・鈴木は山崎の右中間の打球に追いすがるも届かず
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 広島・鈴木誠也外野手(23)が完全復活への一歩を刻んだ。10日のヤクルトとのオープン戦に「5番・右翼」で先発出場。右中間への飛球を追い、打者走者としてもソツのない走塁を披露した。右足首を骨折した昨年8月23日のDeNA戦(横浜)以来、実に199日ぶりの実戦守備走塁。3・30開幕に向けて視界は良好だ。

 見せ場は逆転した直後の3回表の守備だった。無死一塁で山崎の飛球は右中間へ。右翼の鈴木が懸命に追う。だが、あと一歩届かなかった。4回表の守備から堂林と交代したため、最初で最後の“守備機会”となった。

 「僕のポジショニングのミス。普通のところに居たら捕れた」

 鈴木は淡々と振り返る。走者一塁の場面。左打者が一、二塁間を狙って引っ張ってくると予想し、守備位置を若干、右寄りに変えていた。ただ、的確な打球判断も実戦での積み重ねがあってこそ。一歩を踏み出し、前向きな言葉が口を突いた。

 「こういう経験をどんどんやって、次に生かしていきたい」

 走塁はソツなくこなした。1点を追う2回無死一塁で、鈴木の飛球はセンターへ。これを山崎が見失う(記録は二塁打)。続く新井の三ゴロでは三走・松山が三本間に挟まれる間に三進し、エルドレッドの遊ゴロで同点のホームを踏んだ。

 「走塁はもともと大丈夫。走れていたので意識しなかった」

 今春は紅白戦での出場がなく、ここまでの対外6試合で7打数2安打4打点。2安打はいずれも本塁打で、打球判断が必要な打者走者としての出塁は、右足首を骨折した昨夏以来だった。緒方監督は安どの息をつく。

 「残り11試合。これから打つ、守る、走るを、どんどん上げていってもらいたい」

 2万5千人超の大観衆が詰めかけたマツダスタジアムで今春初のオープン戦。199日ぶりに実戦守備をこなし、鈴木は完全復活に向けて確かな一歩を踏み出した。

 「緊張したけど、初めてにしては疲れもなかったし、とりあえず良かった」

 今後は徐々にイニング数を伸ばす方針。順調なら16日のヤクルト戦(神宮)では人工芝での守備をこなす予定だ。曲折を乗り越えた23歳。攻守走で躍動する日は近い。(江尾 卓也)

 ≪丸が今春初の実戦守備≫右肩の違和感で調整に慎重を期してきた丸も今春初の実戦守備に就いた。「3番・中堅」で先発し、計5度の打球処理を問題なくこなし、4回の守備からベンチに退いた。「これまで守れなかったけど、そこまで感覚がぶれていることはなかった」。打撃では2打数2安打と結果を残し、「積極的にスイングしていけたのはよかった」と充実感を漂わせた。

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2018年3月11日のニュース