清宮、燃えた2打点!絶不調もV犠飛 目の前で2度敬遠の屈辱

[ 2017年9月5日 05:30 ]

U―18W杯1次ラウンド   日本7―2キューバ ( 2017年9月4日    カナダ・サンダーベイ )

3回無死満塁、勝ち越し右犠飛を放つ清宮
Photo By スポニチ

 侍ジャパン高校日本代表は3日(日本時間4日)、1次ラウンドB組でキューバを7―2で下し、2勝1敗とした。清宮幸太郎内野手(3年)は2―2の3回に勝ち越し犠飛を放ち、初回にも犠飛で計2打点。打撃不振で3番の安田尚憲内野手(3年)が2度敬遠されて勝負される屈辱を味わったが、4番の重責を果たした。

 高校通算最多109本塁打を誇る日本の4番は目の前の打者が敬遠される屈辱を味わった。公式戦では初めてで、しかも2度だ。キューバには勝ったが、清宮の表情は終盤から降りだした雨空のように曇っていた。

 「悔しかったけど、今の調子ではしようがない」。最初は2―2の3回無死二、三塁の場面だった。併殺狙いで塁を埋めた相手に「(燃えるものは)あった」と打席に向かった。日本の応援団から「清宮コール」が送られる中でフルカウントまで粘り、右翼へ勝ち越しの犠飛。最低限の仕事を果たした4番は「ホッとした」と胸をなで下ろした。

 2度目は5点リードの8回。2死二、三塁から再び安田が歩かされたが、外角低めのスライダーを引っかけて一ゴロに倒れた。3試合で10打数1安打、打率1割。2試合連続無安打は今年、早実の公式戦、練習試合を含めて自身53試合目で初めてだった。「全然駄目です。調子が悪い時の自分が全部出ている。体が開きまくって、訳が分からなくなっている」。不振を自覚している清宮に対し、小枝守監督は「向こうは清宮君のタイミングが合っていないとみたと思う。スピードの変化に惑わされているかな」と分析した。

 米国に続いてキューバにも負けていれば、両国とともにスーパーラウンドに進出できたとしても1次ラウンドの対戦成績が持ち越されるため、決勝進出の可能性が絶望的だった。そのため、小枝監督も「崖っ縁」と表現した一戦。4番の清宮は絶不調ながら2つの犠飛で2打点を挙げ、勝利に貢献してみせた。

 主将としても引っ張った。試合前ミーティングで前日に敗れた米国戦を引き合いに出し「気持ちで負けていた。みんなで声を出していこう」とナインを鼓舞。試合では率先して声を出し盛り上げた。「連戦が続くので、みんなに切り替えが大事とずっと言っている。それは自分も同じこと」。清宮は自らに言い聞かせるように話した。この日受けた屈辱を晴らす機会はいくらでもある。

 ▼1次R成績持ち越し 1次ラウンド(R)の上位3チームが進出するスーパーRでは1次Rの対戦成績が持ち越される。1次Rで対戦のなかった組の3チームと総当たりで戦い、上位2チームが決勝に進出。B組の日本は既に米国に敗れ、キューバにも敗れていたら両国とともにスーパーRに進んだ場合は2敗からスタート。A組の3チームに全勝しても3勝2敗で、決勝進出は難しかった。

 ▼日本の1次R突破条件 日本は5日のオランダ戦と南アフリカ戦に連勝すれば無条件でスーパーラウンド進出決定。また、午前3時からのオランダ戦に勝ち、南アフリカが米国に、メキシコがキューバにそれぞれ敗れれば午後10時30分からの南アフリカとの最終戦前に進出が決まる。

続きを表示

2017年9月5日のニュース