【キヨシスタイル】清宮君、打力生かすためにも守備の意識を強く

[ 2017年9月5日 10:30 ]

ノックを受ける清宮
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 久しぶりにワクワクしている。カナダで行われている野球のU―18W杯。慣れない木製バットで苦労しているみたいだけど、今年の高校生侍ジャパンには将来楽しみな野手がたくさんいるからね。

 今秋ドラフトの超目玉になるのは中村奨成(広陵)だ。守備力はすでに即戦力。肩が強くてコントロールもいい。一大会6本塁打の甲子園記録をマークした打撃もいける。久々の大型捕手。法大から阪神に入ったころの田淵幸一さん以来じゃないかな。

 中村に続くのは清宮幸太郎(早実)、安田尚憲(履正社)、増田珠(横浜)…。それぞれ素晴らしいバッティングをしている。投手と違って毎日試合に出られる野手のスター候補生。みんなプロ野球に入ってガンガン活躍してもらいたい。

 そう期待しているからこそ清宮君にお願いがある。守備に対する意識を強く持ってほしいんだ。

 初戦のメキシコ戦をテレビで見たけど、一塁の守備で内野手からのワンバウンド送球を後ろにそらしていた。守っているときは、打席に入っているときと表情が違って見える。不安があるからかもしれないな。

 すぐプロに行くかどうか分からないけど、はっきり言って今の守備力では監督、コーチは使いづらい。プロでレギュラーになるのは難しいと思う。

 打球を遠くへ飛ばすのは天性。持ってない人がいくら頑張っても無理だけど、守備は練習すれば最低限のレベルまでは上げられる。駒大から巨人に入った当初、三塁でエラーばっかりしていた私でも、2軍の多摩川で連日ノックを受けて少しは守れるようになったからね。そればかりか、一塁にコンバートされてからは7年連続でゴールデングラブ賞を頂いた。

 真のスーパースターになる条件は、打つだけじゃなく、しっかり守れること。清宮君の場合、打つ能力は誰もが認めている。その打力を生かすためにも、守備から逃げないでほしい。

 守りはその気になってやらないと身に付かない。まずは強い意識を持つこと。世界の舞台に立っている今こそ、意識改革をしてもらいたいな。 (本紙評論家・中畑 清)

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2017年9月5日のニュース