天国の父と果たした約束、ロッテ・香月の次なる目標は「開幕1軍」

[ 2016年11月8日 09:30 ]

9月26日のソフトバンク戦3回2死、左前にプロ入り初安打を放つロッテ・香月一(左、投手摂津)

 渋谷にあるお笑いライブの劇場「シアターD」が今秋で閉館すると聞いた。若手芸人の登竜門のような小劇場は21年の歴史に幕を下ろす。なぜ、このニュースが気になったかというと、記者になる前に芸人として2003年に初舞台を踏んだ劇場だからだ。きのうのことのように覚えている。

 初舞台の記憶が鮮明なように、プロ野球選手にとって初打席は忘れられないだろう。今季、ロッテの2年目・香月一也内野手(20)は9月26日のソフトバンク戦(QVCマリン)に「9番・三塁」で先発しプロ初出場。初打席で初安打を記録した。摂津のカーブを左前に運び「初めての1軍なので無我夢中だった」と笑みを浮かべた。

 シーズン終盤の1軍初昇格。今春の石垣島キャンプ中に病床の父・昌美さんと電話で約束したことがある。「絶対に今シーズン中に1軍に上がる」と話すと、父から「頑張れよ」と言われた。その直後、2月4日に昌美さんの病状が悪化したためチームを離れて実家のある福岡に向かった。だが、移動中の5日午前1時54分に昌美さんは52歳で死去。電話で交わした1軍昇格の約束が最後の会話だった。プロ初安打を天国の父に届けた香月は「いい姿を見せられて良かった」話した。

 なお、ソフトバンクの守護神・サファテの直球に手が出ず見逃し三振に倒れると「あんな速い球は初めて見た。投げた瞬間にミットに入っていた」と苦笑い。千賀の消えるように落ちる「お化けフォーク」を空振りし「お化けです。怖いです」。リアクションが初々しかった。「初サファテ」も「初お化け」も一生忘れられないだろう。

 1軍での出場は2試合のみ。経験は来季につながる。現在行われている千葉・鴨川秋季キャンプのチームの合言葉は「超追い込み」。香月も「ケガをしない体をつくるのは当たり前だとして、来年に向けていろいろ力をつけたい」と、猛練習を積んでいる。来春は「開幕1軍」を天国の父に報告したいところだ。(記者コラム・渡辺 剛太)

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