山本前監督語るWBCのチーム作り キャプテンは置くべきか?

[ 2016年11月8日 10:35 ]

第3回WBCで日本代表監督を務めた山本氏(左)は阿部主将を中心としたチームづくりを行った

 第4回WBCで世界一奪回を期す侍ジャパン。来年3月7日の開幕まで4カ月となった今、チームとして何が必要なのか。「世界一奪回への道~WBC前首脳陣の提言~」として、前回13年大会の首脳陣に聞いた。第1回は監督を務めた山本浩二氏(70)。

 私が13年の第3回WBCの代表監督に就任したのは10月10日だった。まず、本番まで5カ月弱しかない中で考えたのはチームに柱をつくること。すぐに阿部慎之助(巨人)に連絡してキャプテンをお願いした。監督としての私の考え方を浸透させる時間はなく、普段からともに戦っている選手から柱をつくり、その人物を中心にチームを一つにするやり方をとった。

 小久保監督はキャプテンを置かない方針を決めたようだが、本来は1人の柱をつくるより、大会期間を通じて誰もが柱になれるチームの方が厚みは増す。13年から就任し、時間をかけてチームの方向性と自らの考え方を浸透させてきたわけだし、その判断を支持したい。

 メジャーリーガーの招集についても、夏から準備を始め、選手と十分にコミュニケーションをとった上で進めている。メジャー選手も助っ人としてではなく、チームの一員として必要とされていることを感じるのではないか。若く才能あふれる国内選手と実績十分のメジャー選手が融合し、一つになる下地はある。

 大会に入れば想定外のことも起きるし、非情な起用も時に必要になる。昨年オフに、小久保監督と「(采配は)監督が思った通りにやればいい」と話す機会があった。送り出した選手を信じ、作戦を遂行する。その結果に責任を取るのが監督だ。言葉では言い表せないほどの重責だが、決勝の舞台、ドジャースタジアムで笑顔で選手と抱き合う小久保監督を見たい。

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2016年11月8日のニュース