中田、筒香の「後ろ」志願 最強4、5番コンビだ!

[ 2016年11月8日 06:00 ]

フリー打撃を行う中田

 来年3月に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を控える侍ジャパンが7日、10~13日のメキシコ、オランダとの強化試合(東京ドーム)に備え、QVCマリンで2日目の練習を行った。主砲・中田翔内野手(27=日本ハム)は、4番最有力の筒香嘉智外野手(24=DeNA)の「後ろ」を打つことを志願。小久保裕紀監督(45)も太鼓判を押しており、「最強の4、5番コンビ」で世界に挑む。

 日の丸を背負う覚悟、そして責任感がそうさせた。チームが勝つために、自分がどうあるべきか。帰りの球場通路。中田は心を静め、淡々と語り始めた。

 「前回は(西武の)中村さん、ゴー(筒香)の後ろを打たせてもらって凄く楽に打席に入れた。ゴーの後ろは凄く安心感があった。それがぴったりなのかなと思う」

 「前回」とは昨秋に行われた「プレミア12」のことだ。初代王者の夢は破れたが、中田は一塁手でベストナインと、打点王に輝いた。この時、中村、筒香が4番を任され、中田は5番や6番で出場。日本ハムでは不動の4番を任されるが、「楽な気持ちで打席に入らせてもらった」と見えない重圧から解放された。その結果、全8試合に出場し28打数12安打、打率・429で15打点。神懸かり的に打ちまくった。

 中田だけでなく、小久保監督も「プレミアの時もそうだが、筒香の後に中田がいたので、そこで得点が増えた」。若い筒香に4番を任せ、兄貴分的な中田を後ろの打順で打たせる効果を狙う。指揮官は今回の強化試合で数パターンのオーダーを試す方針だが、「筒香の後はポイント」と明言している。4、5番が侍ジャパンの心臓部となり、4番最有力の筒香も「周りに技術が凄く高い選手がいる。後ろにつなげるようにしたい」と主砲としての自覚を口にする。WBC本番を見据え、大谷はDHと代打を併用される方針で、筒香&中田のセ・パ打点王コンビへの比重は大きい。

 この日、中田はシート打撃で打席に立ち、今季10勝を挙げた最年少左腕・田口から左前打を放つなど、状態の良さをアピールした。「しっかり広角に打って、ケースに合わせる技術を持ちたい」。一発にこだわらず、あくまでも状況を考えながら打点を稼ぐポイントゲッターになる覚悟だ。

 8日夜には内川らを中心に「野手会」が開催され、代表野手陣は全員参加予定。今回の強化試合だけでなくWBC本番を見据え、チームとして結束を高める。中田は「強化試合だけど、やるからには負けたくない。全力を尽くして勝ちにいく」と力を込めた。最強の4、5番コンビで、世界の頂を目指す。中田の目はもう戦闘モードだ。(柳原 直之)

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2016年11月8日のニュース