緒方監督 安部、堂林、野間を強化指定選手に スーパー早出で猛練習

[ 2016年11月8日 08:30 ]

広島の緒方監督

 8日から秋季キャンプを開始する広島は7日、キャンプ地となる宮崎・日南入りした。来季にリーグ2連覇、1984年以来、33年ぶりの日本一を目指す緒方孝市監督(47)は、チーム力のさらなる底上げを目指し安部、堂林、野間の3人を強化指定選手に指名。異例の「スーパー早出」を課して台頭を促す構えだ。

 すでに来季に向けた戦いに挑むべく、ライバル球団はスタートしている。リーグ優勝は過去のこと。日本シリーズでも敗れており、後れをとることは許されない。キャンプ地・日南に入った緒方監督は、来季こそ、リーグ連覇から日本一をつかみ取るために、戦力の底上げに力を入れる。

 「外国人がどうなるかはわからないけど、野手に関しては顔ぶれは変わらない。個々のレベルアップがチーム力のアップにつながってくる」

 丸、菊池、田中に鈴木らが一定の結果を残したが、それ以外の新たな力が来季は必要となる。秋季キャンプでは例年、全体練習に先駆けて早出練習が行われる。だが今回は近年では例のない、早出の早出となる「スーパー早出」が、強化指定選手の安部、堂林、野間の3人に課せられることになった。早出は特守が主体だが、早出の早出では打撃練習、体幹強化を行う予定だ。

 安部は今季、三塁手としてはチーム最多となる58試合に先発出場するなど115試合に出場。259打数73安打の打率・282、6本塁打、33打点の数字を残したが、石井打撃コーチは「試合には出たけど、まだレギュラーじゃない。(菊池、田中の)二遊間に何があるかわからないからね」と、さらなる奮起を促した。安部自身も「ありがたいです。まだまだ練習が足りないので」とやる気に満ちあふれている。

 今季は三塁の定位置争いに加われず47試合出場にとどまった堂林は、悲壮感を漂わせた。「来年ダメだったら野球人生が終わってしまうと思っている。春のことは考えず、秋季キャンプに対してしっかり臨んでいきたい」。野間も昨季の127試合から今季は21試合出場と大幅減で来季に向け期するものがある。「来年に向けて“これなら”というものをつかみたい。ハードになると思うけど、やらないといけない」と力を込めた。

 この3人が、さらなる力を付け、レギュラー争いに割って入るまでになれば、チームとして競争力が付くと同時に底上げにもなる。

 緒方監督は投手陣の再編についても言及。「黒田が抜けた穴をどうするか。先発なら先発、中継ぎなら中継ぎと固定できるのが理想」。大瀬良の先発再転向をすでに明言しており、新たなローテーション確立を狙う。

 「勝っても負けても苦しい思いはする。でも苦しい思いをするからには日本一を勝ち取りたい。この秋がスタート」。33年ぶりの栄冠に向け、静かに闘志を燃やした。 (柳澤 元紀)

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