エリートVS叩き上げ パ天王山、対照的な道歩んだ大谷と千賀の対決に注目

[ 2016年9月21日 09:20 ]

20日、福岡へ移動する大谷(左)とキャッチボールで調整する千賀

 まさに天王山。パ・リーグはきょう21日、ゲーム差なしで3厘差首位のソフトバンクと2位の日本ハムがヤフオクドームで対戦する。初戦の先発投手は千賀と大谷。対照的な道を歩んできた2人がペナントの行方を左右する大一番で投げ合う。

 千賀は10年育成ドラフト4位で入団。愛知・蒲郡高では無名の選手だったが、12年に支配下登録されると、13年にはオールスターに出場するまでに成長した。昨季途中から先発に転向して、今季大きく飛躍。23試合に登板して12勝2敗、防御率2・61。防御率はロッテの石川に次いでリーグ2位だ。勝率・857はリーグトップである。

 一方の大谷はアマチュア時代から「二刀流」として注目を集め続けてきた。プロ4年目の今季は投手として19試合に登板して、8勝4敗、防御率2・12をマーク。ソフトバンク戦には3試合に先発し、1勝0敗だが、唯一の勝利を挙げた7月3日の14回戦(ヤフオクドーム)では投手では史上初の先頭打者本塁打を放った。誰もが認める球界のスーパースターだ。

 決戦前日の2人も対照的だった。「意気に感じてやりたい」と千賀。日本ハム戦には4試合登板して1勝1敗で、8月6日の19回戦(ヤフオクドーム)では今季初黒星を喫した。勝てばリーグ3連覇へマジック8が点灯するだけでなく、勝率タイトルの対象となる13勝に到達する大事なマウンドだ。決戦の地・福岡に移動してきた大谷は「気負う必要はない。今ある力しか出ない。最大限発揮できるように準備できれば」と静かに闘志を燃やした。

 はたして軍配はどちらに上がるのか。過去に千賀と大谷が先発同士で投げ合ったことはない。叩き上げの千賀、エリート街道を突き進んできた大谷。2人の息をのむような投手戦を期待したい。(記者コラム・森 寛一)

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2016年9月21日のニュース