西武・佐藤 母にささげるプロ1勝 河原で母子キャッチボールが日課

[ 2016年5月25日 05:30 ]

<西・楽>5回無失点でプロ初勝利の佐藤

パ・リーグ 西武4―1楽天

(5月24日 西武プリンス)
 西武の4年目左腕・佐藤が、プロ3度目の先発でうれしいプロ初勝利を手にした。5回を3安打無失点。

 「初勝利を挙げることができて、凄くホッとしています」とあどけなさの残る笑顔をみせた。

 ピンチの連続だった。「開き直って腕を振るしかない。一番自信のある直球なので」。2回無死満塁のピンチを無失点で切り抜けると、5回1死一、三塁の場面では松井稼を139キロ直球で三ゴロ併殺に打ち取って勝ち投手の権利を手にした。過去2回の先発はともに5回途中で降板して2連敗。2軍時代から指導してきた潮崎ヘッド兼投手コーチは「よく踏ん張ったね」と目を細めた。

 家族にささげる初勝利だ。佐藤が小学1年時に父親が病死。母・久江さん(56)が女手一つで5人きょうだいを育ててきた。小学生の時は、家の裏の河原で母とのキャッチボールが日課だった。高校入学時に母が家計をやりくりして買ってくれた硬式用グラブは西武ドームのロッカーに大切に置いてある。「自分がいるのはお母さんのおかげ。ウイニングボールはもちろんお母さんに渡します」。試合後すぐに最愛の母に電話で勝利を報告した。

 福島県の実家でテレビ観戦した久江さんは「たくましく育ってくれた。本当にうれしい」と大喜び。プロ初先発だった11日の楽天戦(コボスタ宮城)で現地観戦した際に持参していた手紙には「苦しい時もあったけど、乗り越えて、よくがんばりました」と末っ子への思いをしたためていた。

 同学年には日本ハム・大谷や阪神・藤浪がいる。「自分には自分のスタイルがある。みんなと勝負できるようになれれば」。16年5月24日。遅れてきた「94年組」がプロ野球選手として大きな一歩を踏み出した。 (重光 晋太郎)

 ▼西武・栗山(1点リードの7回に左越え3号ソロ)あの本塁打は大きかった。(佐藤)勇が頑張っていたので何とか勝ちを付けてあげたかった。

 ◆佐藤 勇(さとう・いさむ)1994年(平6)9月18日、福島県生まれの21歳。光南では2年秋からエースを務め、甲子園出場なし。12年ドラフト5位で西武入団。今春キャンプは自身初のA班(1軍)入りし、4月23日に1軍昇格。同26日のロッテ戦でプロ初登板を果たした。1メートル82、85キロ。左投げ左打ち。

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