阪神・原口、2戦連続猛打賞 月間MVP受賞なら育成経験野手で初

[ 2016年5月25日 06:10 ]

<ヤ・神>7回無死、右越えソロを放つ阪神・原口

セ・リーグ 阪神7―5ヤクルト

(5月24日 神宮)
 打ち出の小づちと化した阪神・原口のバットが猛虎に勝利を呼び込んだ。2試合連続の3安打。

 何といっても効果的な一撃だったのは3号ソロだ。3点リードの7回無死、カウント1ボール2ストライクから左腕・村中の外角直球を逆らうことなく弾き返した打球は、原口の今の勢いを表すかのように失速することなく右翼席最前列に飛び込んだ。7日ヤクルト戦以来、自身12試合ぶりの本塁打は初の右方向へのアーチでもあった。

 「何とか塁に出ようと思っていた。うまく押し込めた」

 あの夏の興奮が蘇った。神宮は帝京高3年だった2009年夏の東東京大会決勝・雪谷戦24―1で勝ち甲子園出場を決めた思い出の場所。「それ以外に(思い出は)ないですね」と笑ったが、この日と同じ5番捕手で出場し4安打2打点の活躍を見せていた。あれから7年、挫折を味わいながらも、プロとして成長した姿を見せた。金本監督も「原口のあれは効いた」と、4回から6回まで毎回、得点圏に走者を進めながら追加点が奪えず嫌なムードを漂い始めていただけに、払拭するチーム5試合ぶりの一発を称えた。

 3点リードの3回先頭では7試合連続安打となる遊撃内野安打で出塁し4点目のホームを踏んだ。9回は無死二塁からフォークにくらいついて中前打と3安打全てが得点に絡んだ。打率も4割台(・403)に乗せ、5月はこれで60打数25安打の打率・417、3本塁打、14打点。育成経験のある野手としては史上初となる月間MVPにまた一歩、前進したといっていい。

 守っては5投手を苦しみながらも最後までリード。最後のバレンティンの打球には「助かった」と思わず本音を漏らす一方、勝つことですべてが報われることも知っている。
 「勝ちにつながる打撃と思えば嬉しい。でも走塁ミスもあった。勝ったから反省できる」と9回、俊介のバント空振りで飛び出てアウトになったことは反省した。すべてに貪欲な原口がいる限り猛虎はまだまだ進化する。(吉村 貢司)

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