ダル今季休養示唆 終盤復帰なら「無理するところじゃない」

[ 2014年8月16日 05:30 ]

試合前に左手でキャッチボールを行うレンジャーズのダルビッシュ

 右肘の炎症のため故障者リスト(DL)入りしたレンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は14日(日本時間15日)、磁気共鳴画像装置(MRI)による精密検査を受け、じん帯や骨に異常はなしと診断された。ただし、復帰時期は未定。チームはプレーオフ進出が絶望的な状況だけに、会見では今季は登板しない可能性も示唆した。球団も来季以降を見据えて無理をさせない方針だ。

 レイズ戦の前に会見したダルビッシュの表情に暗さはなかった。精密検査ではじん帯の異常は見つからず「軽度の炎症」。当初はこの日のレ軍戦に先発予定だっただけに「投げようと思えば、きょうも投げられる。普通に違和感があるというだけで、痛みとかはないです」と現状を説明した。

 ダルビッシュは9日のアストロズ戦に先発し、4回0/3を6失点で7敗目を喫した。その2日後に右肘に張りを感じ、13日に15日間のDL入り。最短なら25日(日本時間26日)から復帰できるが、今後のリハビリについては未定だ。当面はノースロー。炎症が治まり次第、投球練習を再開するが、悩める胸中も明かした。

 「もちろん投げたい気持ちは強い。でも大きなケガにつながると、来年にも響いてくる。あまり無理はしないということ」。さらに地元紙記者の「今季また投げる自信があるか?」との質問には「投げられるでしょう。でも無理するところじゃない。(登板が)1、2試合になるのなら、別に投げる必要もないのではないか」と答え、復帰時期が終盤までずれ込んだ場合は、登板しない可能性も示唆した。

 チームは現在47勝74敗の借金27で、両リーグワーストタイの勝率・388で地区最下位に沈んでいる。プレーオフ進出は絶望的な状況。一番避けなければならないのは、無理をして登板し、じん帯にダメージが出て、来季の登板にも影響を及ぼすような長期離脱につながることだ。

 球団にとっても、ダルビッシュは不動のエースだけに復帰には慎重だ。今季は両リーグ最多の延べ24人がDL入りしたが、その多くは来季の開幕には戻ってくる。既にチームの焦点は15年に移行しており、リスクを冒してまで今季中に復帰させる考えはない。

 ダルビッシュは昨季、8月後半に腰からでん部にかけての神経障害を発症しながら、ワイルドカード争いのために投げ続けた。その結果として、オフは治療とケアに追われて、トレーニングが一部制限され、不安を抱えて今季を迎えた。1年前とはチーム状況が違う。残りシーズンの「休養」という選択肢もある。

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2014年8月16日のニュース