連敗止めた!上本走者一掃V打「少しは貢献できた」

[ 2014年8月16日 05:30 ]

<D・神>8回、勝ち越しの3点適時二塁打を放ち、ゴメス(右)と笑顔でタッチを交わす上本

セ・リーグ 阪神7-4DeNA

(8月15日 横浜)
 阪神の上本博紀内野手(28)が15日、DeNA戦(横浜)で決勝打を放った。同点の8回2死満塁から中堅フェンスを直撃する走者一掃の決勝二塁打。7月16日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、20試合ぶりのタイムリーでチームの連敗を2で止めた。これでDeNA戦は7連勝。首位奪回を狙う猛虎とともに、8月はここまで不調だった背番号4も息を吹き返した。

 夏の夜空に舞い上がった打球と同時に左翼スタンドの虎党も立ち上がった。同点で迎えた終盤の8回。2死から安打、四球に加え代打・関本も左前打でつないでくれた満塁での5打席目。中堅フェンスに直撃しグランドスラムとはいかなかったものの上本が虎党の歓喜を呼び込む決勝打を放った。

 「食らいついて行こうと思っていた。それがいい結果につながったのかも。とにかくボールに食らいついていこうと」

 何度も口から出た思いが結果となって表れた。カウント1ボールから国吉の高め速球をとらえる走者一掃の二塁打。4点のリードを追いつかれる苦しい展開の中で見せた意地のひと振りがチームの連敗を止めた。

 開幕から順調に過ごしてきたが、8月に入り、急下降。先の巨人3連戦でも安打は第1戦の1打席目に放っただけ。試合前まで月間打率は45打数8安打の・178で同出塁率も・240と低迷。打順の組み替えも検討されていた中で迎えた一戦だった。

 和田監督からは殊勲の一打を称えられながらも「チームにとっても、本人にとっても大きなタイムリーだった。(まだ一度も)1年を通して活躍していない。(不調の時期を)何とか乗り越えて、しっかりやってもらいたい」と厳しい言葉ももらった。

 前日14日の試合前の打撃練習後に呼び止められた。時間にして数分。耳元でアドバイスを送られ、最後は肩をたたかれ叱咤(しった)激励された。「(監督からは)しっかりやろうということ。結果を出せてない。何を言われても仕方ない」。期待されるがゆえだった。

 それだけに、何とか応えたかった。3回1死からは14打席ぶりの安打となる左中間二塁打で2点目のホームを踏んだ。5回無死では得点には結び付かなかったものの、四球で出塁。4試合ぶりのマルチ安打で、少しではあるが、復調の兆しを見せ黒田ヘッドコーチも「(今のメンバーでは)上本しかいない」と試合後、1番で起用し続ける方針を示唆した。

 「(最近は)ふがいない結果だったので少しは貢献できたかな。ただ、完全に戻ったとは思わない。気を引き締め目の前の試合を全力でやる」

 ヒーローに最後まで笑顔はなかった。ただ巨人追走へ不可欠な背番号4が輝きを取り戻すきっかけとなる夜だった。

続きを表示

2014年8月16日のニュース