則本男泣き!復活の47日ぶり白星は準完全試合

[ 2014年8月16日 05:30 ]

<楽・ロ>1安打完封勝利にお立ち台で笑顔を見せていた則本だったが突然、号泣、汗と涙が一緒になって頬を伝う

パ・リーグ 楽天4-0ロッテ

(8月15日 コボスタ宮城)
 視界がぼやけた。降り注ぐ本拠地の大歓声。楽天・則本は汗のふりをして拭ってみたが、もう駄目だった。47日ぶりの白星。長かった。苦しかった。悩んだ。だから、お立ち台で号泣した。

 「ここ2カ月はチームに本当に申し訳なかったので、ここに立てて良かったです。9回にマウンドに上がった時も泣きそうでしたが…。本当に良かったです。はい…」

 最速150キロの直球とスライダーを駆使し、6回まで完全投球。大記録を予感させた。7回1死。加藤への初球に投じたカーブを右前に落とされた。ただ、スコアボードに「H」のランプがともったのは、この一度だけ。9三振を奪い、111球で許した走者は一人だけの「準完全」となる1安打無失点に抑えた。

 交流戦でプロ野球記録の4完封を達成。6月29日の日本ハム戦(札幌ドーム)で9勝目を挙げたが、そこから先発で5度も足踏みし、中継ぎに降格した。フォームもコンディションも理想を追い求めることでマウンドで力みが生じ、直球がシュート回転する悪循環に陥った。先発復帰戦。尊敬する先輩の助言を思い出し、マウンドに上がった。

 「マウンドで自分のできないことをやろうとすると結果は出ない」。田中(現ヤンキース)の言葉だ。昨年7月5日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で先発して初回4失点でKO。その夜、福岡市内の屋台で言われた。翌6日に中継ぎで力投して白星を挙げ、再び先発に戻った。思い出の福岡に滞在していた前日、則本は今月2日以来の先発に向け「あの時、田中さんに言われたように自分のできることをやりたい。田中さんはケガ(右肘じん帯部分断裂)で投げたくても投げられない。投げられる喜びを感じながら腕を振ります」と誓い、結果を出した。

 「甘いボールもあったけどファウルが取れた」と笑えたのは、1年前の偉大な先輩からの助言を実践したから。前日に消滅した自力でのCS進出の可能性も復活させた。則本の涙の復活勝利に星野監督は「完封で10勝は大きいよ。苦しんだ末だからね」と目を細めた。

 11年の田中に並ぶシーズン6完封。新人から2年連続の2桁勝利はその田中も達成できなかった。「田中さんが6完封すれば、もっといい数字を残してる。でも自分にも伸びしろがあると思って頑張ります」。涙に濡れた瞳が、輝きを増した。

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