坂本、由伸、阿部!クリーンアップそろい踏み弾

[ 2014年8月16日 05:30 ]

<広・巨>1回2死、左越えにソロを放つ坂本(投手・前田健)

セ・リーグ 巨人7-2広島

(8月15日 マツダ)
 帰りのバスに乗り込む巨人・坂本は、してやったりの表情だった。同学年のライバル前田健から先制アーチを放ち、はにかみながら振り返った。

 「たまたまです。先制点を取れて大きかった。良い投手から打ててうれしいです。たまには打たないとね」。初回。前田健の初球、高めに浮いたカーブを振り抜き、左翼席に運んだ。毎回対戦する時には「常にスライダーを意識している」と話す。「頭にはなかった」という緩い変化球にも軸足に体重を残して失投を仕留め「甘く来たらいこうと思った。うまく反応できた」と胸を張った。

 試合前の時点で今季対戦成績は11打数2安打。通算でも打率・217と抑えられていたが、4発をお見舞いしていた。試合前から雨が降り、報道陣に「何時ごろからドカッと降るんですか?」と逆取材。試合途中の中断も視野に先制点の重みをいつも以上に理解し、前田健から5本目で価値ある先制11号ソロを放った。3回無死一塁では中前打でつなぎ、高橋由の2点適時打を呼び込んだ。

 前田健を「沢村賞も獲得する日本のエース」として認め、「一番負けたくない」と強烈にライバル視する。11月の日米野球では共に中心選手として侍ジャパン入り。だが、前半戦の打率・294の坂本は「大した数字を残していない。後半戦で上げて胸を張っていきたい」と巻き返しを誓っていた。宣言通り、後半戦は21試合で打率・317、12打点、5本塁打と絶好調。若武者に引っ張られるように高橋由、阿部も一発を放ち、約4カ月ぶりとなる今季3度目のクリーンアップそろい踏みの本塁打となった。

 3回までに6得点で前田健をKO。7―1の5回2死の攻撃時から約48分間の降雨中断を挟んだが、坂本は「有利な展開で集中力を切らさずにやれた」と頼もしい。「我々はうまくスクラムを組めた。この雨を味方につけて戦った」。そう称えた原監督は、通算850勝の節目の勝利を手にした。

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2014年8月16日のニュース