侍ジャパンに5億円援軍 全日空とJTBがスポンサーに

[ 2014年4月15日 06:30 ]

侍ジャパンの小久保監督

 侍ジャパンが航空会社大手の全日空(本社・東京都港区)、旅行会社大手のJTB(本社・東京都品川区)とスポンサー契約を結ぶことが14日、分かった。近日中に正式発表される。侍ジャパンが推進する世界戦略のパートナーとして、日本を代表するグローバル企業が援軍となる。日本野球機構(NPB)は、侍ジャパンを機体にラッピングした航空機の就航や応援ツアーの充実など両社と提携した企画にも期待を寄せる。

 複数の球界関係者の話を総合すると、両社の契約はいずれも17年の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)までの約3年。スポンサー料は両社の合計で5億円近い大型契約になるという。日本野球代表マネジメント委員会(JBMC)のメンバーは「侍ジャパンを通しての野球の普及活動理念に共鳴していただいた。非常に心強い」と話した。

 WBCでの世界一奪還を目指す侍ジャパンは、同時に若年層の競技人口拡大とアジアを中心とした野球の普及を目標に定める。全日空の関係者は「侍ジャパンの理念が、ANAグループの経営ビジョン“世界のリーディングエアライングループを目指す”と共感した」と説明。ライバル会社の日本航空はサッカー日本代表の公式スポンサーとなっているが、こちらは野球の日本代表をサポートする。また、JTBも世界を舞台にした交流事業に力を入れる。3者のグローバル戦略が「侍ジャパン」というキーワードで一致した。

 侍ジャパンにとって、世界規模の経営を行う両社は理想的なパートナーだ。全日空は国内外90都市に就航。JTBは海外だけでも34カ国・地域に358の支社・営業所を持っている。12U(12歳以下)日本代表、女子日本代表からトップチームまで、あらゆる世代の国際大会でサポートを受けることになる。

 両社とも日本オリンピック委員会(JOC)の公式スポンサーであり、JTBはロンドン、ソチ両五輪の日本選手団の移動を担当するなど、スポーツ支援に大きな実績がある。また、全日空 では侍ジャパンをモチーフにラッピングした航空機の就航、JTBでは大会の応援ツアー企画などパブリシティー面での相乗効果も期待できる。

 今年も8月にメキシコで15U(15歳以下)W杯、9月に宮崎で女子W杯、11月に台湾で21U(21歳以下)W杯など各世代で世界大会が開催される。11月にはトップチームが国内で日米野球を予定し、さらに来年11月には12カ国・地域の招待大会「プレミア12」を日本で開催する。今回の契約は全世代の「世界最強」を目指す侍ジャパンに最高の援軍になりそうだ。

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2014年4月15日のニュース