プロ注目149キロ腕・一二三 名字じゃなく結果で見せる!

[ 2010年1月29日 15:34 ]

神宮大会で力投する一二三

 第82回選抜高校野球大会(3月21日から12日間、甲子園)の出場校が29日の選考委員会で決定。昨年大会は、花巻東の剛腕、菊池雄星投手(18=西武)が決勝に進出して話題を呼んだ。今大会もスター候補がセンバツ切符が届くのを心待ちにしている中、話題の中心になりそうな3投手を紹介する。1人目は昨秋関東大会を制した東海大相模(神奈川)のエース・一二三(ひふみ)慎太投手(2年)。

 その珍しい名前が話題にされることが多い。一二三は「注目されるのはうれしいんですけど…、でも野球の話だけで終わるくらい活躍すればいいんですよね」。父・義則さん(55)の実家・熊本県八代郡などを中心にわずかに存在する名字だ。だが、その名だけで注目されているわけではない。名門・東海大相模史上初めて主将兼エースを務める最速149キロ右腕は、昨秋神奈川大会3回戦で右人さし指に死球を受けた。ツメをはがしながらも不屈の闘志でマウンドを守り抜いて、チームを明治神宮大会準優勝まで導いた。
 今秋ドラフト候補の一二三だが、ボーイズ・ジュニアホークス時代までは幼少から患う腰の分離症に悩まされた。高校入学直後には両足の甲を疲労骨折。右ひじ、肩痛など故障続きだった。それでも昨秋、関東大会を制してセンバツ切符をほぼ手中にした今オフ。ボーイズ時代から通じて初めて体調万全で迎えたオフでもある。ケガをする怖さを知っているからこそ、黙々と体づくりに励んでいる。年末年始に大阪へ帰省した際も、間食もせず食事量も節制。すべては4年ぶりのセンバツを見据えての調整にほかならない。
 「大田さん(巨人)も行けなかった甲子園。恥ずべきことはできないです」。2000年以来春2度目の頂点を目指して。巨人・原監督ら大先輩が築き上げた伝統を継承する一二三が、甲子園のマウンドで大暴れする日は近い。

続きを表示

2010年1月29日のニュース