巨人 「金満補強」からの脱却 若手育成システムを構築

[ 2009年9月23日 16:47 ]

 今季の巨人は、坂本、松本ら若手の台頭なくしてリーグ3連覇はなし得なかった。豊富な資金力で他球団から選手を獲得し続けた「金満補強」の印象は薄れつつある。その背景には、育成選手制度を活用し、独自に選手育成システムを構築したことがある。

 ▽12球団最多の15人
 育成選手制度誕生の発端は7年前。当時オーナーだった渡辺球団会長が3軍構想を打ち明けたことに始まる。その実現に向けて支配下選手枠70人の撤廃を求め続けた。他球団の賛同が得られない中、広島から提案を受けた清武球団代表を旗振り役に2005年、制度新設にこぎ着けた。
 今年まで育成ドラフトで12球団最多の計15人を獲得。外国人選手なども含めると20人を超える。そのうち支配下登録を勝ち取ったのが、昨季新人王の山口や、俊足好打で今季台頭した松本だ。
 ▽強化指定選手
 清武代表が就任した04年、清原、ローズら移籍組を含めた中堅、ベテランが定位置を占めていた。チーム内に不協和音が響いた05年は5位と低迷。「補強と育成のバランスが崩れている」と痛感した清武代表は2軍の若手が育つシステムが必要と判断し、07年に強化指定選手プログラムを作成。体力を備えた有望株に数多くの実戦を積ませるプランを立てた。
 米大リーグ、ヤンキースで活躍するジーターはマイナーリーグ時代に年間500打席以上もこなしていた。日米で育成環境に大きな差があることも引き金になった。坂本は07年の2軍公式戦で330打席を与えられた経験を生かし、1軍に不可欠な選手へと飛躍した。
 ▽実戦の場を提供
 現在は選手をA~Dの4ランクに分割。教育リーグなどを含め、Aクラスには年間600打席を経験させる計画だ。07年からイースタン・リーグ7球団による混成チーム、今季からロッテとの連合チームも創設。社会人などとの練習試合を行い、育成枠で増えた選手に実戦の場を提供している。
 松本は「育成枠がなければ、プロ入りできてなかった」と断言する。不況のあおりを受けて企業チームが減少の一途をたどる今、巨人がアマ選手の受け皿になろうとしている。3軍を実現させようとした中で誕生した若手育成システムは、実を結びつつある。

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