相反するテーマを両立させた原監督 「維新」結実の3連覇

[ 2009年9月23日 16:48 ]

 巨人の原辰徳監督の方針が顕著に現れた試合があった。8月4日の広島戦。昨季まで出場1試合の3年目、田中を今季初めて1軍に昇格させ、先発で起用した。勝負の夏場に入り、宿敵の中日が1・5ゲーム差まで迫ってきていた状況でだ。

 コーチも球団首脳も驚いた監督の起用に、田中は見事に応えた。プロ初の先発出場ながら、はつらつとしたプレーでベンチを盛り上げ、逆転勝利に貢献。原監督は意図をこう説明した。「一度、試してみたかったんだ。彼は堂々とプレーした。近い将来、巨人の戦力になってくれるという確かな感触を得たね」
 大型補強なく迎えた今季、チームの指針を「維新」に決め、同時に「今年から新たに5連覇」との壮大な目標を打ち出した。昨秋、大逆転でリーグ連覇を果たした自信を胸に臨んだ日本シリーズに敗れ「何かを変えなければ前進はない」と痛感。現有戦力に甘んじず、若手を中長期的なビジョンで育成、強化するとの決意を表明した。
 期待を寄せる選手が苦しんでいれば、自ら歩み寄り、期待と課題を直接伝えた。1番に昇格させた坂本は、一時4割を超えた打率が5月以降、下がり続けた。5番に定着させた亀井も8月末に不振に陥った。そんな時には「向上心と闘う姿勢を常に持っていてくれれば、それでいい」と親心で訴えかけた。この2人をラミレス、小笠原の両主砲の脇を固める主力選手へと変ぼうさせた。
 「育てる」と「勝つ」の両立。勝負の世界では相反する二つのテーマを、見事に同時進行させた。3連覇は原監督の野望からすれば序章にすぎない。しかし、常勝軍団再建という道筋をつける歓喜となったことは間違いない。

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