村上 侍4番不動「しっかりこれからもそこを打てるように」フリー打撃で看板直撃2発

[ 2023年3月15日 05:05 ]

フリー打撃で快音を響かせる村上(撮影・沢田 明徳)
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 「村神様」の看板を準々決勝で取り戻す。カーネクストWBC1次ラウンドB組を1位突破した侍ジャパンは14日、16日の準々決勝・イタリア戦に向けて東京ドームで全体練習を行った。4試合20打席ノーアーチで打率・143と不振の村上宗隆内野手(23)が、フリー打撃で看板直撃の2本を含む8本の柵越えと復調気配。「不動の4番」として挑む覚悟を示した。

 オーストラリア戦で大谷が当てた付近に、打球を直撃させた。村上のフリー打撃の7スイング目。電子広告が表示されず暗転していたが、大谷が起用された広告看板が表示されていた右中間だ。

 「(感触は)まあ普通です。マックスってことはないですけど」

 まだ終わらない。この日は練習中、バックスクリーンに小学生からの応援メッセージや絵が次々と表示されていた。その右横の看板部分にも、打球をぶち当てた。中堅最深部。打撃練習だが、大谷の140メートルを超える150メートル級の一撃だ。

 1次ラウンド4試合で4番を任された。3番・大谷、5番・吉田のメジャー侍に挟まれる特別な打順。「僕しか打ったことのない打順なので、しっかりこれからもそこを打てるように頑張りたい」と誇りを口にし、死守する覚悟を示した。

 20打席ノーアーチ、14打数2安打7三振と不振にあえぐ。「短期決戦は勝つことだけ。凄く打てていない状態が続いていますけど、勝ったことが一番」と強調したが、自身に当たりが戻れば、全体的に好調な打線がさらに活気づく。「置きティー」では球を置く台を通常より高めに設定するなど試行錯誤した。

 28スイングで2本の看板直撃を含む8本の柵越えと復調気配。毎年のシーズンでもスロースターターで、打席を重ねながら固め打ちする傾向がある。栗山監督は打順について「(村上の)状態は確認している。全体のバランスとして勝ちやすい方法を探る」と語った。前後の打者が好調なのも好材料。昨季には日本選手最多56本塁打を放って史上最年少の3冠王に輝いた男を信じ、復調を待つ。

 「師匠」と呼んで慕う岡本和には自ら「“打て”って言ってくださいよ」と「ハッパ」を求めた。左脇腹の違和感で出場辞退したカブスの鈴木からは凡退場面を物まねする激励動画も届いた。「(イタリアの)詳しい情報を入れていく。負けたら終わりなので。勝つことだけ。勝てるように頑張ります」。日本中がSNSに「#そろそろ打てや村上」と投稿している中で、不安をそのバットで振り払い、「看板役者」になる。(神田 佑)

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2023年3月15日のニュース