広島・栗林 再発進誓う「シーズンで結果を残すことが恩返し」 腰の張りで侍離脱もリハビリ再開

[ 2023年3月15日 05:00 ]

12日のオーストラリア戦後、ナインにあいさつする栗林(撮影・篠原岳夫)
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 腰の張りで侍ジャパンを離脱した広島・栗林良吏投手(26)が14日、マツダスタジアムの残留練習に合流し、リハビリを再開した。第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド東京プールでは故障の影響で登板機会がなかった。悔しさをにじませながらも、苦い経験を糧にシーズンでの奮起を誓った。ただ、近日中に病院で精密検査を受ける予定で、開幕に間に合うかは不透明な状況。今後は万全復帰を最優先に慎重に調整を進める構えだ。

 無念の離脱だった。ただ一人、1次ラウンドで姿を消した。侍ジャパンのユニホームを脱いだ栗林は悔しさと自責の念に駆られながらも、率直な胸の内を明かした。

 「戦力になりたかったという気持ちが一番…。今は悔しい気持ちと、申し訳ない気持ちでいっぱい」

 異変は9日の中国戦(東京ドーム)で起こった。登板に向けた準備を進めていた時だった。「(腰に)痛みと違和感を覚えた」。予期せぬアクシデントの影響で1次ラウンド計4試合を通じて登板はなかった。16日からの準々決勝を見据えて、12日にはブルペンでの投球練習を再開するなど、復帰の道を模索してきたが、登録抹消が決まった。厳しい現実に直面した右腕は現状を受け止め、必死に前を向いた。

 「できるだけ早く切り替えて、カープの一員として、戦力になっていけたら。シーズンで結果を残すことが、迷惑をかけた方々への恩返し(になる)」

 侍ジャパンの本隊を離れる際にはダルビッシュから温かい言葉をかけられ、チームメートと記念の集合写真を撮影。ナインの心遣いに感謝した。

 「ダルビッシュさんからは“悔しいと思うけど、もう一回一緒にプレーできるように頑張ろう”と優しいお言葉をかけてもらった」

 戦友からのエールを胸に刻み、再スタートを切った。この日からマツダスタジアムでリハビリを再開。球場施設ではジョギングやストレッチなどで患部の状態を確認した。

 「軽くは投げられるが、全力で投げたときにどうかというのは自分でも分からない。痛みとか、違和感とか、怖さもある。徐々にやってみて、どうかなというところ」

 近日中には病院で精密検査を受ける予定で、開幕戦となる31日のヤクルト戦(神宮)に間に合うかは不透明な状況。13日に電話で栗林本人と話したという新井監督は守護神の復帰について慎重な姿勢を示した。

 「代わりに招集された山崎投手のことを申し訳ないと気遣っていた。彼らしいなと。腰の方もそうだし、メンタル的にも凄く疲弊していると思うので。万全の状態で彼自身の開幕を迎えてほしい。開幕に間に合わなくても焦る必要はない」

 現時点では実戦復帰の時期も未定。今はただ、チームの命運を握る守護神の早期復帰を願うばかりだ。(長谷川 凡記)

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2023年3月15日のニュース