オリックス・中嶋監督マジックで劇的サヨナラ! 9回2死三塁で福田がドラッグバント→神走塁で決めた

[ 2022年10月1日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス4―3ロッテ ( 2022年9月30日    京セラD )

<オ・ロ>9回2死三塁、福田はサヨナラスクイズを決めて雄叫びを上げる(撮影・北條 貴史)
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 両手を「V」の字に広げてオリックス・福田が一塁へ頭から飛び込んだ。9回2死三塁、一塁側へドラッグバント。一塁手・山口のタッチをかわす神走塁でサヨナラ勝ちをもぎ取った。

 「3ボールになってからバントは考えました。まさかバントをしてくるとは思ってないだろうと」

 3―2の9回に守護神・平野佳が2死走者なしから同点に追いつかれ、ないはずだった裏の攻撃。先頭の紅林が左中間を破る二塁打を放ったが、2死三塁と変わって漂う延長戦の雰囲気を、会心のひと振り…ではなく、3ボールから意表を突くアイデアで主役の一人になった。

 「3フィートがどうとか言われて、ガッツポーズを一度してから検証になって、うそやろー、やめてくれーって(笑い)」

 8回にマウンドに上がった能見の引退登板が、選手を動かした。負けて送り出すことはできないチームみんなの思いだ。直後の8回裏、2死一、三塁から益田の暴投で三走・宗がヘッドスライディングで一時勝ち越しの生還=写真。シンカーがワンバウンドとなった瞬間にはもうスタートを切る神走塁だった。

 9回を守っている頃にソフトバンクの勝利が伝わった。負ければ、いや引き分けでもV逸が決まる一戦で、犠飛と暴投と適時バント安打という中嶋野球が全開。2度のヘッドスライディングが象徴した執念の“滑り込み勝利”だ。残すは1試合。あとは運命の「10・2」が訪れることを信じて待つのみだ。

 中嶋監督も興奮気味に話す。「絶対に負けちゃいけないってところが必ずあると思うので。諦めずにというか最後の最後までチャンスがあるんだったら、いきたいと思いますけどね」。優勝マジックは1となり、1日にソフトバンクが引き分け以上なら敗退だが、逆転連覇へ可能性は残し、必死に夢をつないだ。 (畑野 理之)

 ▽オリックスの昨季のサヨナラバスター 11月12日のロッテとのCSファイナルS第3戦で1点を追う9回無死一、二塁、途中出場の小田はバントの構え。初球にバスターを強攻すると、打球は前進した一塁・三木の左脇を抜けて二塁走者が生還した。この年は新型コロナの影響で延長戦がなく、9回終了時に同点の場合は規定によりコールドで引き分け。オリックスがアドバンテージ1勝を含め3勝1分けとなり、「サヨナラドロー」で25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

 ○…オリックスが今季6度目のサヨナラ勝ちで優勝への可能性を残した。条件は1日にソフトバンクが西武に敗れ、2日にオリックスが楽天に勝利、ソフトバンクがロッテに敗戦で決まる。この場合両チームが最終勝率.539で並ぶが、規定により直接対決で勝ち越したオリックスが上位(=優勝)になる。なお1日にソフトバンクが引き分け以上なら、その時点でV逸となる。

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