エンゼルス・大谷15勝 ノーノ―あと4人…惜し~い!! それでもやまない「MVP」コール

[ 2022年10月1日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4―2アスレチックス ( 2022年9月29日    アナハイム )

<エンゼルス・アスレチックス>力投する大谷 (撮影・白鳥 佳樹)
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 惜し~い!!エンゼルスの大谷翔平投手(28)が29日(日本時間30日)、アスレチックス戦に「3番・投手兼DH」で先発。8回2死まで無安打投球を展開した。快挙は逃したが、8回2安打無失点で日本ハム時代の15年と並ぶ自己最多の15勝目を挙げ、日米通算70勝に到達。162回の規定投球回数まであと1イニングとし、到達済みの規定打席と合わせて史上初の「ダブル規定到達」はほぼ確実となった。

 あと4人だった。8回2死。遊撃手のグラブをはじく中前打で、無安打投球が途切れた。少し苦笑いした大谷は、すぐに帽子をかぶり直し、内野手と捕手スタッシに手で合図。次打者へ気持ちを切り替えた。快挙を逃した悔しさは一瞬。実に大谷らしかった。

 「正直“出来的”にはあまり良くなかった」。直球は平均95・2マイル(約153・2キロ)で今季“最遅”。今季、軸とするスライダーも、普段より曲がらなかったが「コマンド(制球)的には良い日」と覚悟を決めた。「こんなにスライダーを投げたことは人生でもなかった」。全108球中、カットボールを含めスライダー系を74球(68%)と駆使した。

 2日前、同僚左腕スアレスから「テレビゲームで翔平を中継ぎで登板させ、スライダーを多投させて打たれまくった」と“難癖”を付けられた。だが、現実では1分間あたりの回転数が昨年まで平均2300台から、今季は平均2491に上昇。より鋭くなったスライダーを軸に、今季リーグトップの10度目の2桁10三振を奪った。

 8回を投げ終え、ガッツポーズは普段よりおとなしく、ベンチでは疲れ切った表情だった。「できれば9回を投げきって(歓声に)応えたかったというのが正直なところ」。それでも、ヤンキース・ジャッジとのMVP争いの中での快投に、本拠のファンは何度もMVPコールで称えた。

 打席では、初回無死二塁で中前適時打など2安打。自己最長を更新する14試合連続安打とした。次回登板は5日(日本時間6日)の敵地アスレチックス戦。今季最終戦で史上初の「ダブル規定到達」を成し遂げる。(柳原 直之)

 ≪8回に許した初安打 ソトが中堅方向に…≫大谷が8回2死から左打者の6番カペルに許した初安打は、極端に右寄りだった内野のシフトが不運な形となった。ほぼ遊撃手の定位置へのゴロだったが、ベネズエラ出身の新人遊撃手ソトは中堅方向に寄っていた。何とか追いつき逆シングルで捕球を試みたが、打球はグラブをはじき中前へ転がった。「彼(大谷)に“うまくプレーできなくてごめんね”と言った。タフなプレー。申し訳なかった」と肩を落としたソト。大谷は8回終了後、ソトの左肩をポンッと叩いていた。

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