加藤学園・酒井 内角攻めで3年ぶり“春”を呼ぶ

[ 2022年10月1日 04:00 ]

常葉大橘との準決勝に先発を希望し、勝利も宣言した酒井
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 来春選抜の参考資料となる第75回秋季高校野球静岡県大会は1日、草薙球場で準決勝が行われ、勝者が東海大会(22日から県内)へ名乗りを挙げる。優勝候補筆頭の呼び声高い加藤学園は、4戦中3戦に逆転勝利と勢い付く常葉大橘と対戦。今大会中最速を143キロまで伸ばした先発候補の右腕・酒井翔輝(2年)が、強気の内角攻めで3年ぶりの“春”を引き寄せる。

 著しい成長の勢いとマウンド上の躍動感で相手を圧倒する。酒井は登板するたびに直球の最速を更新。浜松開誠館との準々決勝では1キロアップして143キロまで伸ばした。凄いのはスリークォーターから140キロ台を計測し続ける能力。2年ぶりの東海進出を懸けた常葉大橘との大一番に「(投げられるのであれば)自分が先発し、完投して勝ちます」と奮い立つ。

 今週のブルペンでも感触は良かった。相手打線は右打者がスタメンに6人。イメージはできている。

 「右にはインコースの真っすぐで詰まらせる。見せてから外のスライダーで三振を取ります」

 実際に対戦した浜松開誠館の主将・吉松礼翔遊撃手(2年)が「真っすぐはもちろん速かったんですが、それ以上にスライダーの切れが良くて攻略できませんでした」と言葉を残した。それだけ内角をえぐる直球の威力が効いていたのだ。

 愛知衣浦リトルシニアでは自称「5番手投手」で、公式戦の登板はない。高校入学時の球速も118キロ。それがタイヤ押しなど地道にトレーニングを続けることで昨秋に125キロ、今春には130キロ台前半、熱海・新居・佐久間との今夏2回戦で5回参考無安打無得点投球の際には140キロの大台に手が届くところまで来ていた。

 「入学時にまさか140キロを投げられると思わなかったです。自分が一番ビックリしていますし、“今は野球が楽しい”という気持ちに比例して球が速くなってきているんだと思っています」

 米山学監督(44)も「投げっぷりが良い。よく練習をしますし、ケガもしない。まだまだ伸びると思います」と期待は大きい。

 「甲子園に行きたいです。県で優勝し、東海も1位を獲ります。できれば高校卒業後のプロ入りも…」

 来夏には150キロを視野に夢を抱かせる背番号11が「翔輝」の名前同様、はばたいて輝く。 (小澤 秀人)

 ◇酒井 翔輝(さかい・しょうき)2005年(平17)10月30日生まれ、愛知県高浜市出身の16歳。高取小1年から高取ファイターズで野球を始め、6年時はエースで4番。高浜南中では愛知衣浦リトルシニアに所属し控え投手。加藤学園入学後は今夏県大会からベンチ入り。1メートル81、77キロ。50メートル走6秒4。右投げ右打ち。家族は両親と姉。血液型O。

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