来季は冗談なし? 日本ハム 2年目「新庄剛志」の本気度

[ 2022年10月1日 08:00 ]

<日・ロ>「SHINJO」名のユニホームを着替えた新庄監督(撮影・高橋茂夫)
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 昨秋の監督就任会見で「優勝なんか目指しません」と世間を驚かせる発言をして監督生活をスタートさせた日本ハム・新庄監督。来年3月に開場する新球場「エスコンフィールド北海道」で戦う来季へ向けた「トライアウト」と位置づけた今季は、右肘違和感で登板なしに終わった新助っ人右腕・ガント以外の支配下選手68人を全て1軍で起用し、若手選手を中心に経験を積ませるシーズンとなった。

 1日現在で142試合を戦い、58勝81敗3分け。9年ぶりの最下位に沈んだ。「“優勝を目指さない”じゃなくて“目指せなかった”」。これが本心だった。しかし、勝負師としての本心は当然悔しさが大半を占めた。ファンの承認を得て続投を決めた、9月28日の札幌ドーム最終戦でのスピーチでその胸の内を明かした。

 「今年は悔しくて、悔しくて、たまりませんでした。試合に勝てなかったから、悔しかったわけではありません。目をギラギラして試合に臨んだ選手が、チャンスで打てなかったり、ピンチで打たれたり。その姿を見て、もの凄く悔しかったです」。そう語り始めると、こう続けた。「周りから“おまえのめちゃめちゃな考えで、めちゃくちゃな采配で選手をおもちゃにするな”“ファンは宝物と言っていながら勝つ気ねぇじゃねえか”“ファンは勝ちが見たいんだ”“頼むから辞めてくれ”“何であの選手を使わないんだ”“もうちょっと勉強しろ”」自身への批判は覚悟の上だったが、SNSなどを通じて多数の批判の声は届いていた。それでも批判を真っ向から受け止め、自らの信念を貫き通した。全ては今季の「トライアウト」を勝ち抜いた選手とともに来季優勝を狙うためだった。

 「来年は2位も6位も一緒です。日本一だけを目指して、ブレずに戦っていきたいと思います。みなさん、ついてきてください」。そう言ってスピーチを締めた新庄監督。セレモニー後の取材では、来季は「BIGBOSS」から「新庄剛志」へと変更することについて「来年は真剣勝負。“新庄剛志”でいきたいなという気持ちがある。ビッグボスってチャラい(笑い)。来年はもうチャラけられないから、“船長”にしようか、“新庄”にしようかって悩んだんですけど“新庄”でいきます」と新庄節で笑いも交えながら来季へ懸ける真剣な思いを吐露した。

 「意外とね、恥ずかしかったんですよ。リクエストの時。ビッグボスからリクエストがありましたって、“恥ずかしいやん、やめてや”って感じでしたからね(笑い)。みなさんもクスって笑ってたでしょ」。もしかしたら来季はこんな冗談も聞かれなくなるかもしれない。何度も悔しさを味わった今季。この経験を必ず生かし、強いファイターズを復活させてくれるとファンは信じている。(記者コラム・東尾 洋樹)

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2022年10月1日のニュース