【玉ノ井親方 視点】照ノ富士のどん底からの復活劇は尋常ではない 安定感は一番で逆転Vの可能性ある

[ 2021年3月25日 20:51 ]

玉鷲(下)を突き落としで破る照ノ富士(撮影・郡司 修)
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 照ノ富士が大きな白星を手にした。場所後の大関昇進に関しては、審判部が決めることなので軽々には言えないが、序二段からここまで復活してきた努力には頭が下がる。

 私も2度大関に返り咲いた。ただ私の場合は翌場所10勝を挙げ、すぐに戻ることができた。しかし照ノ富士は大ケガを負ってどん底まで落ちた。普通はまず気持ちが駄目になる。2度大関に復帰した力士は私以外にいないそうだが、照ノ富士のケースはそれ以上に価値がある。本当に尋常ではない。彼のような力士はもう二度と出てこないだろう。

 この日の玉鷲戦は土俵際まで押し込まれたものの、差されても下からあてがい危なげなかった。ケガで苦しんだ経験が精神面を強くし、相撲も以前のような強引な取り口が少なくなった。安定感は上位の力士の中で一番ある。このまま高安にくらいついていけば、逆転優勝の可能性は十分ある。(元大関・栃東)

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2021年3月25日のニュース