聖火リレー25日スタート　11年世界一なでしこJ・岩清水が手記「スポーツの力の素晴らしさ思い出して」

聖火ランナーを務める11年「なでしこジャパン」メンバーの岩清水
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　新型コロナウイルスの影響で1年延期となった東京五輪の聖火リレーが25日、福島県のサッカー施設Jヴィレッジ（楢葉町、広野町）から121日間のスタートを切る。第1走者を務める11年サッカー女子W杯優勝の日本代表「なでしこジャパン」メンバーが24日に発表され、主将だった澤穂希さん（42）は体調不良により不参加が決定。W杯監督だった佐々木則夫氏（62＝WEリーグ大宮総監督）とDF岩清水梓（34＝日テレ）はスポニチ本紙に手記を寄せ、東京五輪と聖火リレーへの思いを明かした。

　聖火ランナーの第1走者に任命され、率直に光栄なお話だと思いました。いろいろな意見がたくさん出ていますし、正直に言うと難しい状況にはあると思います。それでも、10年前に感動してもらった結果、また皆さんの前に顔を出せることに感謝したいです。

　一昨年に聖火ランナーのお話を頂いた時は妊娠中でした。どれだけ出産が遅れるかそわそわしていました。遅れてしまったら走れないところだったんですが、ほぼ予定通り（昨年の3月）に生まれてくれたので。産婦人科の先生にもちょっと走るくらいなら大丈夫だと言ってもらい、検査をしてもらって走る準備はしていました。

　震災から10年の節目になったのは、不思議な力なのかな。10年前のW杯ではサッカーをやらせてもらっていることに感謝する大会でもありましたし、「日本に明るいニュースを届けよう」を合言葉に毎試合を戦った。自分のためではない。人のため、日本のためにという思いがいつも以上にあったと思います。

　スポーツが与える力は大きい。東京五輪のため頑張ってきた後輩たちをたくさん見てきました。そういった人たちが表現できる場をぜひ、つくってほしいと思います。そのためにも「スポーツの力は素晴らしいよね」「スポーツは良いよね」と、自分たちが走ることで思い出してもらえれば。それが、私たちが走る「意義」なのかなと思っています。（元なでしこジャパンDF）

　◆岩清水　梓（いわしみず・あずさ）1986年（昭61）10月14日生まれ、岩手県滝沢市出身の34歳。03年に日テレの下部組織からトップチームデビュー。U18から年代別代表の常連となり、06年の国際親善試合ロシア代表戦でA代表デビューを飾った。W杯3大会連続出場で11年W杯優勝、12年ロンドン五輪銀メダルに貢献した。一昨年10月に結婚。1メートル63、55キロ。利き足は右。