井上大仁「いろいろスッキリしました」攻めて沸かせた東京マラソンから一夜

[ 2020年3月2日 10:14 ]

レースから一夜明け、取材に応じる井上大仁
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 1日に行われた東京マラソンで2時間9分34秒の26位に終わったものの、果敢な攻めでレースを沸かせた18年ジャカルタ・アジア大会金メダリストの井上大仁(27=MHPS)がレースから一夜明けた2日、都内で取材に応じ「現状でやりたいこととできることはやった。昨日の結果で肩書きや立場も追う側になった。その辺はフレッシュな気持ちでやれると思う」と冷静に振り返った。

 「いろいろスッキリしました」。最下位に沈んだ昨年9月のMGC後に比べて表情は穏やかだった。やりきったという思いの反面、東京五輪を逃したという複雑な思いが去来するが「こうしてみると、終わったんだな」。この日、長崎に帰る井上を取材した記者は2人。「報道陣もスッキリしましたね。ビフォーアフターです」と冗談を言う余裕も見せた。

 レースでは32キロ過ぎに日本記録をマークした大迫傑(28=ナイキ)の猛追を受け日本人トップの座を明け渡した。「集団はみんないっぱいいっぱい。大迫さんはその中で上がってきて、ぶち壊して、進んでいった。マジか!と思いました」とあらためて驚嘆の声をあげる。

 大迫が日本記録を更新したほか、日本マラソン歴代20傑に新たに8人が加わった現状を「戦国時代の幕開けですね」と井上は見る。自身の記録は歴代5位から一つ後退したが「次は同じレースをして勝てるように、ついて行けるようにしたい。負けていられない」と言葉に力を込める。

 日本選手権1万メートルの参加資格も持っているが今後については「これから先のことは考えていません。ふわ~っとしてます」と白紙状態。前日本記録保持者の設楽悠太(28=ホンダ)はハワイ休暇を宣言しているが、井上には旅行に出掛ける予定はなく「こんなご時世ですし、ゆっくりしたいと思います」という。「ひとまず休んで、そこから。体は走れる状況にあるかも知れないけど、先を考えるような感じじゃなくなっている」と当面は心身共に静養する考えだ。 

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