大迫 日本新更新で五輪当確!吠えた!泣いた!ラスト切符&2度目1億円ゲット!

[ 2020年3月2日 05:30 ]

東京マラソン ( 2020年3月1日    東京都庁前~東京駅前 )

雄叫びを上げながらゴールする大迫(撮影・西海健太郎)
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 東京五輪マラソン男子代表最後の1枠を懸けて行われ、日本記録保持者の大迫傑(28=ナイキ)が自身の記録を21秒更新する2時間5分29秒の日本新記録で4位。2度目となる褒賞金の1億円とともに東京五輪代表をほぼ手中に収めた。32キロで日本人トップに立つとペースを落とさずにそのままゴール。選考会最終戦となる8日のびわ湖毎日で今回のタイムを上回る選手がいなければ、大迫に代表が決まる。感染が広がる新型コロナウイルスの影響で大会は市民ランナー不在で行われた。

 大迫の目にも涙だ。日本人最速を決める死闘を制すると、いつもはクールな日本のエースの胸中にそれまでの感情が駆け巡った。
 「山あり谷あり。9月に3番になってから苦しい戦いだった。来週次第だけど、次につながる良い走りができた」

 昨年9月に行われた東京五輪選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で3位に終わり即時内定を逃した。10月には指導者の薬物問題で所属していた米国「ナイキ・オレゴンプロジェクト」が解散する不運にも見舞われた。苦難にめげず、昨年12月中旬から人生初となるケニア合宿を敢行した。標高2400メートルでの練習の結果はレース終盤に表れた。

 23キロで先頭集団からいったん遅れた。一時はアジア王者の井上に10秒以上の差をつけられ「駄目かなと思った」と弱気になりかけた。しかし、32キロすぎで井上に追い付き、ライバルのつらそうな顔が目に入ると「チャレンジしてみようかな」と一気に加速して抜いた。「ケニアでの練習でも1人で耐えることを学んできた。残り10キロはいける手応えはあった」。30キロから35キロの5キロは優勝したレゲセを11秒上回る14分56秒。勝負どころで再び14分台を刻み、2年前の自分を21秒上回った。ゴール直前ではガッツポーズを繰り返して雄叫びを上げ「最高の直線でした」と相好を崩した。

 大迫を突き動かしていたのは敗北だった。トラックで世界を目指していた大迫がマラソン転向へ踏み切ったのは16年リオ五輪の苦い経験だ。五輪前には「入賞もいける」と周囲に話していたが、5000メートルは全体28位、1万メートルも健闘及ばず17位と惨敗。米国では「トラックでは通用しない」と言われたこともあったが、心は折れなかった。リオ五輪後には決意を新たに「マラソンを目指す」と42キロの勝負に活路を求めた。MGC3位で待っていても、大迫の日本記録を上回る選手が現れなければ、五輪切符が手に入る状況だったが、今大会出場を決断。自力で五輪切符をたぐり寄せた。

 「自分自身を超える意味で守らずチャレンジできた。来週のびわ湖毎日が終わるまで分からないが、現時点で東京五輪に近い存在になれた」

 最終選考会で他の選手がクリアしないといけないタイムを大きく引き上げ、北の大地で行われる2度目の五輪に大きく前進した。

 ▽東京五輪への道 枠は3人。昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で優勝した中村匠吾と2位の服部勇馬は確定。残り1枠は、2時間5分49秒の設定記録を突破した選手の中で、最も速い記録を出した選手が選ばれる。MGCファイナルチャレンジ最終戦となる8日のびわ湖毎日マラソンで、大迫が今回出した2時間5分29秒を上回る選手が出なければ、大迫に決まる。びわ湖は川内優輝、荻野皓平らが出場するが、持ちタイムは東京出場組と比べると見劣りがする。大塚祥平、鈴木健吾ら若手の活躍が期待される。

 ▼マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)VTR 男女とも上位2人が得られる東京五輪代表を懸け、昨年9月15日に明治神宮外苑前発着で開催された。序盤は設楽悠太が独走も、37キロ付近で後続に抜かれる。終盤は中村匠吾、服部勇馬、大迫の三つ巴。残り1キロを切ってから中村が抜け出し、2時間11分28秒で優勝。ゴールまで約300メートルで服部が大迫を逆転し、2時間11分36秒で2位となり、中村とともに五輪代表を決めた。大迫は服部から5秒遅れの3位だった。

 ◆大迫 傑(おおさこ・すぐる)
 ★生まれ、サイズ 1991年(平3)5月23日生まれ、東京都町田市出身の28歳。1メートル68、53キロ。
 ★競技歴 東京・金井中時代に本格的に競技を始め、佐久長聖高2年時に全国高校駅伝優勝。早大では箱根駅伝で1、2年時に1区区間賞を獲得。15年に米国「ナイキ・オレゴンプロジェクト」に加入した。
 ★スポーツ歴 小学時代には水泳、少年野球、剣道を経験。少年野球では俊足を武器にセンター。
 ★初マラソン 17年4月のボストンマラソンでは2時間10分28秒で3位。
 ★家族 妻と娘2人。
 ★日本記録 マラソンは今回の2時間5分29秒、5000メートルでは13分8秒40と2種目で日本記録を保持。
 ★アプリ 大迫傑公式アプリを昨年12月に配信。練習メニューや動画などを配信している。

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