春場所、史上初“無観客”決定…「力水」は形だけ、力士に感染者出れば即刻中止

[ 2020年3月2日 05:30 ]

春場所の無観客での開催を発表する八角理事長(撮影・奥 調)
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 日本相撲協会は1日、大相撲春場所(8日初日)の開催場所である大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪で臨時理事会を開き、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受けて、春場所を無観客で開催することを決めた。過去に一般客に非公開だった場所はあるが、無観客は史上初めて。力士の体調管理などを徹底し、感染者が出た場合は中止となる。

 列島全体に自粛ムードが広がる中、日本相撲協会も史上初の無観客での本場所開催を決断した。臨時理事会後に会見に臨んだ八角理事長(元横綱・北勝海)は「3月場所について無観客で開催することを決めました。多くの皆さまには大変ご迷惑をおかけすることになりますが、2月26日の政府要請を踏まえ、また社会全体で新型コロナウイルス感染症の拡大を防いでいることを勘案し、このような判断とさせていただきました」と苦渋の表情で話した。

 午後2時前から2時間半以上、行われた臨時理事会には東北医科薬科大の感染症学特任教授の賀来満夫氏を招き、意見も仰いだ。一部からは「中止」という意見も出たが、八角理事長は「そういう選択肢もあったが、3月場所を楽しみにしているファン、全国のファンのために開催することを決めた」と説明。NHKの中継はこれまで通り実施する。

 力士に感染者が出た時点で中止となる。そのため、力士には体調管理を徹底させる。各部屋で体温検査を継続させ、37度5分以上の力士は出場させない方向。さらに場所中は公共交通機関の利用を避けて、相撲協会が準備するバスなどで移動させる考えだ。本場所では水おけから同じひしゃくを使って「力水」をつけるが、これは濃厚接触にあたるため、今回は形だけにして口に水を含ませないようにする。今後、細部にわたって感染リスクを減少させる措置を整え、初日に備える。

 昨年まで3年連続で年6場所全てが満員御礼だったが、状況は一変する。関取には大歓声で気合を高める力士も多く、静寂の中で闘志を高められるのか。厳戒態勢の下で行われる異例の場所は、力士にとって真価が試される場所になる。

 ▽過去の異例開催 終戦直前の1945年夏場所は当初5月に予定されていたが、空襲のため延期。6月に一般に非公開とし、旧両国国技館に傷痍(しょうい)軍人や関係者らを招待して7日間実施した。46年は被災した国技館の修復が遅れ、夏場所を取りやめ。これが初の中止となった。2011年2月に発覚した八百長問題では、実態解明などを優先させるため、同月上旬のうちに3月の春場所実施を断念し、65年ぶりに本場所を中止した。同年5月の夏場所も、興行ではなく技量審査場所として無料公開で開催した。成績は正式な記録として扱われたが、NHKが中継せず、天皇賜杯や外部表彰、懸賞もないなど異例ずくめだった。

 ▽大相撲の本場所 単なる競技スポーツや興行ではなく、相撲が本来持つ伝統芸術や神事性などの文化の振興と、次世代への継承を図る日本相撲協会の基幹事業。成績に基づき、大相撲の根幹である番付が編成される。長く続いた年2場所時代から徐々に場所数が増え、1958年に年6場所制となった。1月の初場所、5月の夏場所、9月の秋場所は東京・両国国技館で、3月の春場所はエディオンアリーナ大阪、7月の名古屋場所はドルフィンズアリーナ、11月の九州場所は福岡国際センターが会場。

 

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