ピエール瀧出演映画への助成金不交付 逆転「違法」判決 最高裁が初の判断

[ 2023年11月17日 16:36 ]

 薬物使用で有罪判決が確定したピエール瀧の出演を理由とし、映画に対する助成金を交付しなかった文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」(芸文振)の処分の妥当性が争われた訴訟の上告審判決が17日、最高裁第2小法廷で行われた。尾島明裁判長は処分を違法とする判決を言い渡した。

 映画は2019年9月に公開された「宮本から君へ」。製作会社「スターサンズ」が手がけた。一、二審判決によると、完成した19年3月に出演者のピエール瀧が逮捕され、同年7月に執行猶予付きの有罪判決が確定。芸文振は内定していた助成金1000万円を交付しない決定を下していた。

 この日の上告審査判決は、処分を適法とした二審判決を破棄。原告の映画製作会社側の逆転勝訴が確定した。芸術文化作品への公的な助成金をめぐる最高裁の初の判断となった。

 これまで、犯罪やトラブルを起こしたタレントの出演作品について、公開や放送すべきかなど、対応について議論になっているが、今回の判決は映画会社やテレビ局の判断へ今後、影響を与えそうだ。

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