前川清 ソロデビュー曲手がけてくれた坂本龍一さんの壮絶製作現場「僕たちには分からない世界の音」

[ 2023年4月3日 15:12 ]

前川清
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 歌手の前川清(74)が3日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜後1・55)に電話出演し、3月28日死去した音楽家・坂本龍一(さかもと・りゅういち)さんの製作現場の思い出を語った。

 「前川清&クール・ファイブ」で活動後、ソロデビュー曲「雪列車」の作曲を手がけてくれたのが、坂本さんだった。

 坂本さんといえば、ピアノのイメージが強いが、レコーディングで坂本さんがまず演奏したのが、意外にもドラムだったという。前川は「僕も鍵盤というかピアノという印象だったんですけど、ドラムをたたいていただき、“ドラムもたたくんだ”という驚きから始まり…。まる一日です。ハチマキをしながら」と、驚きをもって振り返った。

 スタジオで、坂本さんは生みの苦しみを味わっていたという。「あまりにも1日長いもんですから、“教授(坂本さん)は何で1日、そんなに一生懸命にたたくんだ”と聞いた時に、“アジアというのか、日本というのか、和太鼓の音をドラムの中で出したいけど、その響きが出ない”と」。メロディーではなく、リズム先行で曲作りを始めたそうで、前川は「僕たちには分からない世界の音であり、譜面も全然ないんですよ」と振り返った。

 「雪列車」のレコーディングにかかった期間は約3日。異例の長さだったという。前川は「演歌、歌謡曲というと、スタジオ代がかかりますので、3曲録ろうか、4曲録ろうかと、1日のうちにやるんですけど、(坂本さんは)まる1日かけてドラムをやられるという」。初日はドラム、2日目から鍵盤などでメロディーを肉付けしていったという。「そこには、売れようとか売れたいとか、計算ではない、自分のその時の雰囲気で生まれた音楽といったものが、浮かんだ、そういったものをお作りになったんじゃないですか?」。坂本さんの頭の中の想像しながら、思い出を語っていた。

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2023年4月3日のニュース