林家菊丸「これから真価が問われる」 芸術祭大賞受賞で気持ち新た

[ 2023年3月6日 12:56 ]

令和4年度文化庁芸術祭の大衆芸能部門で大賞を受賞した林家菊丸(右)と兄弟子の林家染二
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 令和4年度第77回文化庁芸術祭の大衆芸能部門で大賞を受賞した落語家・林家菊丸(48)が6日、上方落語の定席「天満天神繁昌亭」で、受賞記念ウィーク(4月10~16日)の発表会見に臨み「まさか大賞が獲れるとは思ってなかった。これから真価が問われる。目の前のお客さんを楽しませ、はける(高座をおりる)時に拍手をもらえるように頑張りたい」と語った。

 3月27日に文化庁が京都へ移転するのに伴い、この賞は今回が最後。「二番煎じ」「癪(しゃく)の合い薬」「井戸の茶碗」の侍ネタ3本で大賞を射止めた。師匠の林家染丸(73)、兄弟子の林家染二(61)に続いて一門3人目の受賞となる。染二は「師匠が57歳で、私が59歳で受賞。彼は48歳で受賞した。これからの西の林家一門、上方落語を背負って、盛り上げてくれると思う」と弟弟子にエールを贈った。

 受賞記念ウィークには、過去に大賞を受賞した桂文枝(79)、染二、桂文之助(66)、笑福亭松喬(62)、女道楽師・内海英華(62)らが主演し、公演を盛り上げる。

 菊丸は94年、染丸に入門。古典から創作まで幅広くこなし、人気と実力を兼ね備える噺家となった。14年、林家菊丸の大名跡を115年ぶりに復活させ、襲名した。師匠の染丸は脳梗塞で療養中。菊丸は「起き上がって歩くことはかなり厳しい状況」と現状を説明。「筆談はできます」と明かした。受賞については「涙を流して喜んでいた」と染二。「拍手していただきました」と菊丸。「師匠は紙に“おめでとう”と書いた後、“賞金は?”と書いてました」と、弟子を笑いをまじえて祝福した。

 賞金60万円は「娘さんの学費で消えるようで」と染二が暴露し、菊丸も苦笑い。「5月には(神戸)新開地・喜楽館で受賞記念ウィークをやります」。5月2日、7月5日にも所属する吉本興業主催で「ようこそ菊丸です」(天満天神繁昌亭)を開催する。

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2023年3月6日のニュース